講師:「奥様俳句教室に集まってもらったわけですけど、どうですか? ちょっと疲れました?」
生徒:「ああ……、はい。考えすぎて、ちょっと疲れちゃいました」
講師:「あ、そう。そういう時はちょっと休憩して、気分転換しましょう」
生徒:「あっ、気分転換ね! 気分転換にはダジャレがいいですよ」
講師:「ダジャレですか? わたしあんまり詳しくないんで……」
生徒:「じゃあ、じゃあ、わたしが考えたダジャレ、聞いてもらえますか? お題は『めがね』で」
講師:「大竹さんの奥様が考えたダジャレですか?」
生徒:「悲しいダジャレ」
講師:「えっ?」
生徒:「メガネには目がねえんです。……耳のとこ、かゆくなっちゃうけど」
講師:「いる、最後の一言? かゆくなるならメガネやめて、コンタクトにしなさい」
生徒:「目がね? メガネの奥にあるんですよ? ……言わないとわかんないでしょうけど」
講師:「何で後ろに変な言葉つけるの? ダジャレが悲しい感じになっちゃうでしょ?」
生徒:「メガネをかけ始めたんですよ~。
講師:「目が悪くてもなれる職業ほかにもあるから! 気にしないで!」
生徒:「メガネがめっがんねぇ~。探してもめっがんねぇ~。……最初からメガネなんてないのよ」
講師:「悲しいよ! よく探せば見つかるから!」
生徒:「メガネをかけて観たくなるほどの名画ねぇ~。……ああ、耳がかゆいっ!」
講師:「だからコンタクトにしなさいって! メガネアレルギーなんだから」
生徒:「メガネって、ちょっと堅苦しく見える
講師:「そんなことないよ! メガネでも明るくて、ノリのいい子もいっぱいいるよ!」
生徒:「メガネ選びの決め手は、やっぱりメーカーねぇ。……そう思ったんだけど、どうしてもめっがんねぇ~!」
講師:「またお前かよ! そんだけ探して見つからないなら、もうあきらめな!」
(完)