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第6話

 それから二年が経ち、私は十二歳となった。毎日、植物ばかりで一つ重要なことを忘れていた。それはファンタジーならお馴染みの自分のステータスの確認だ。


「ステータスオープン!」


 そう唱えると、私の目の前にステータスの画面が現れた。


 名前・エルバ(12)

 職業・異世界転生者・魔女

 レベル・50

 体力・1500

 魔力・2000

 攻撃力・1500

 防御力・1000

 俊敏性・100


 スキル・植物鑑定(MAX)植物図鑑120000/53

 麻痺耐性(強) 毒耐性(強) 強化胃袋(鉄壁)

 魔法 火、水、氷、風(レベル1)生活魔法(レベル1)調理(レベル1)調合(レベル1)


 固有スキル・エルバの畑(レベル3、畑で採れた植物の効能2倍)アイテムボックス


 おお、これが私のステータスかぁ!


 ふむふむ。植物鑑定がMAX! さすが有能博士。

 植物図鑑が12万分の53って、まだまだぁ〜。

 麻痺と毒に耐性があって、強化胃袋まで付いてる。

 魔法は火、水、氷、風 の4種でレベル1。

 あとは生活魔法、調合、料理。


 固有スキルがエルバの畑。

 博士からもらうタネはエルバの畑にしか植えれない。

 今、レベルが三で畑の効能がニ倍? エルバの畑から採れる植物から使った薬、食べ物の効能がニ倍になるということ? ――それって、すごい事じゃない!


 あとは、アイテムボックス。

 このスキルって、アイテムがしまえたり出せたりするんだよね。


 中はどうなってる? とアイテムボックスを開き手を入れて探ってみると、中にリュックが入っていた。……お、このキャンプ用のリュック。私の大切なキャンプ道具を入れているリュックだ。君たちも一緒に異世界へきたんだね。嬉しいと私はそのリュックを抱きしめた。




「お? あれは……」


 ステータスを確認した二日後。お水を飲もうとやってきた食卓のテーブルの上に、稲穂に似た植物が束になって置かれていた。私はすかさず、この植物について博士に聞いてみる。


《エルバ様、これはコメ草といいます》


 コメ草……コメ、米? この世界の野菜、ジャロ芋とかダイダイコンなど名前は違うけど、見た目が前世と同じな野菜は数あったけど……お米はまだなかった。


 博士、これ食べられる。


《食用です》


 おお、食べられる!

 コメ草の効能は?


《食べ応えがあり、空腹になりにくい。腹持ちがいいです》


 食べ応えがあって腹持ちがいい!

 多分、コメ草はお米だよね。


「博士、タネを頂戴」


 この日、エルバの畑にコメ草が生えた。

 畑にニョキッと生えるコメ草、さすがファンタジーの世界だ。


 ――やったお米だ、お米!


 パンも美味しいけど。

 私は米が好き!


 この世界でお米を見つけたあまりの嬉しさに、稲を持ってキッチンで舞っていた。そこに夕飯の支度に調合室から出てきたママと鉢合わせ。


 「「えっ!」」


 コメ草を手に舞う私と。

 そんな私を見て驚くママがいた。

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