それから二年が経ち、私は十二歳となった。毎日、植物ばかりで一つ重要なことを忘れていた。それはファンタジーならお馴染みの自分のステータスの確認だ。
「ステータスオープン!」
そう唱えると、私の目の前にステータスの画面が現れた。
名前・エルバ(12)
職業・異世界転生者・魔女
レベル・50
体力・1500
魔力・2000
攻撃力・1500
防御力・1000
俊敏性・100
スキル・植物鑑定(MAX)植物図鑑120000/53
麻痺耐性(強) 毒耐性(強) 強化胃袋(鉄壁)
魔法 火、水、氷、風(レベル1)生活魔法(レベル1)調理(レベル1)調合(レベル1)
固有スキル・エルバの畑(レベル3、畑で採れた植物の効能2倍)アイテムボックス
おお、これが私のステータスかぁ!
ふむふむ。植物鑑定がMAX! さすが有能博士。
植物図鑑が12万分の53って、まだまだぁ〜。
麻痺と毒に耐性があって、強化胃袋まで付いてる。
魔法は火、水、氷、風 の4種でレベル1。
あとは生活魔法、調合、料理。
固有スキルがエルバの畑。
博士からもらうタネはエルバの畑にしか植えれない。
今、レベルが三で畑の効能がニ倍? エルバの畑から採れる植物から使った薬、食べ物の効能がニ倍になるということ? ――それって、すごい事じゃない!
あとは、アイテムボックス。
このスキルって、アイテムがしまえたり出せたりするんだよね。
中はどうなってる? とアイテムボックスを開き手を入れて探ってみると、中にリュックが入っていた。……お、このキャンプ用のリュック。私の大切なキャンプ道具を入れているリュックだ。君たちも一緒に異世界へきたんだね。嬉しいと私はそのリュックを抱きしめた。
「お? あれは……」
ステータスを確認した二日後。お水を飲もうとやってきた食卓のテーブルの上に、稲穂に似た植物が束になって置かれていた。私はすかさず、この植物について博士に聞いてみる。
《エルバ様、これはコメ草といいます》
コメ草……コメ、米? この世界の野菜、ジャロ芋とかダイダイコンなど名前は違うけど、見た目が前世と同じな野菜は数あったけど……お米はまだなかった。
博士、これ食べられる。
《食用です》
おお、食べられる!
コメ草の効能は?
《食べ応えがあり、空腹になりにくい。腹持ちがいいです》
食べ応えがあって腹持ちがいい!
多分、コメ草はお米だよね。
「博士、タネを頂戴」
この日、エルバの畑にコメ草が生えた。
畑にニョキッと生えるコメ草、さすがファンタジーの世界だ。
――やったお米だ、お米!
パンも美味しいけど。
私は米が好き!
この世界でお米を見つけたあまりの嬉しさに、稲を持ってキッチンで舞っていた。そこに夕飯の支度に調合室から出てきたママと鉢合わせ。
「「えっ!」」
コメ草を手に舞う私と。
そんな私を見て驚くママがいた。