システムに従って、モッヒーのステータスが表示されました。
名前: モヒカン・ヒャッハー(愛称: モッヒー君)
性別: 男性
種族: ヒューマン
職業: 盗賊
称号: テツの手下
レベル: 5
【ステータス】
生命力: やや健康
運: 悪い
魅力: 最新の髪型
知識: 乏しい
精神力: 普通
技術力: 低い
交渉力: 皆無
戦闘力: 弱い
「ふむ、戦闘力が追加されるわけだ」
【スキル】
・軽業(Acrobatics): レベル2
軽い体と素早い身のこなしで、敵の攻撃を回避したり、高所に登ることができる。
•ナイフ使い(Knife Handling): レベル3
ナイフの扱いに長けている。戦闘時には短剣を使ったスピード重視の攻撃が得意。
•盗み(Thievery): レベル3
鍵を開けたり、物を盗むスキル。レベルが上がるとより高度な盗みが可能。
•かく乱(Distraction): レベル1
敵の注意を引くために、音や視覚的な要素を使って混乱させる。戦闘や交渉の場で有効。
•逃走術(Escape Artistry): レベル2
ピンチの時に逃げ足が早くなるスキル。捕まる前に逃げるのが得意。
【経験値システム】
•経験値: 全ての経験値はプレイヤーであるテツに還元される。
モヒカン・ヒャッハーが得た経験や戦闘での成果は、全て交渉人テツのステータスやスキルに反映される。
「なるほど、ゲームの説明を聞いていれば分かることなのかもしれませんが、説明書も何も読まないで始めるのが醍醐味と思っていましたが、これは結構仕様が色々と組み込まれていて面白いな」
ステータスを確認していると、盗賊君、改めてモヒカン・ヒャッハーこと、モッヒーが何やら騒がしい。
「おいっ?! おいって! いい加減にしびれ薬をどうにかしてくれよ」
「ああ、そうだったね。すまない。解毒薬はあるかな?」
「それはお金が」
「ああ、そうだね」
私は自分の所持しているお金を確認するが、それで足らないかもしれないので、モッヒーの懐を弄って、お金の袋を薬草少女に渡した。
「これで足りるかな?」
「ねぎったりしないの?」
「うん? ああ、これは君への手間賃だよ。モッヒーを仲間にすることができた。それに迷惑もかけてしまったからね」
「わかった」
少女は納得してくれた様子で、しびれ薬の解毒薬をくれた。
それをモッヒーに提供して、しびれを解除する。
「ふぅ、酷い目に遭ったぜ」
「モッヒー、改めてよろしく。私はテツだ」
「テツさん? いや、テツの兄貴って呼ばせてもらうっす」
「うん? 兄貴?」
私はモッヒーの発言に驚きを感じてしまう。それにしびれ薬を盛られて、怒っても良いと思うが彼の態度は、むしろ好感度が上がったように感じられる。
「ああ、俺はバカだ。自分一人では盗賊になるしか生きる道がなかった。だけど、テツの兄貴が俺を導いてくれるなら、俺は変われるかもしれねぇっす」
そうか、これが一人の人間の人生を左右するということか?
多分、昔のゲームをプレイして2Dポリゴンで見ていた時には実感できなかったゲームのキャラ。だが、目の前で喜びを見せる彼は、実際に存在するほどに美しい見た目と現実変わらない。
「そうか、ならモッヒー。この世界で生きるための手伝いをしてくれるか?」
「ういっす!」
「まずは、お金を稼がなければならないね。そうしなければ宿に泊まることもできない」
「ういっす。しびれ薬が入った食事でしたけど、腹は満たされたので元気っす」
「はは、そうか」
モッヒーの言葉に私は笑ってしまう。
現実では、ここまで素直に気持ちを話してくれる相手がどれだけいるだろうか? そう思うと彼のような人間と接することがとてもありがたい。
「まずはそうだな。薬師少女ちゃん」
「あっ、あの! 私はマーサです」
「マーサ? えっと名前かな?」
「はい! 薬師少女じゃなくて、マーサって呼んでください。テツさん、この度は命を救ってくださりありがとうございます」
この世界の人間はモッヒーに限らず、純粋で素直に物事を伝えてくれる。
このような人たちだからこそ、少しの嘘や冗談でも信じてしまうのでしょうね。
「いえ、私にも目的がありましたから」
「はい! あのお礼として我が家の離れでよければ、提供できると思います」
「えっ? いいのかい?」
「はい! 両親も命の恩人だと伝えれば」
「それは助かるね。モッヒー、しばらく拠点として使わせてもらうと思うけどいいかな?」
「もちろんっす! テツの兄貴に任せるっす」
モッヒーにマーサ。二人との出会いが始まりというのは私にとっては色々と助かる展開ですね。
このゲームでは人やNPCとの交流こそが一番の重要な要素です。
「それでは、早速お金を稼ぐ方法を調べてきます。モッヒーにはマーサのお手伝いと、彼女の護衛をお願いします。マーサ、同じような危険がないようにモッヒーに護衛してもらってください」
「ういっす!」
「はい!」
本当に素直な二人だな。襲い襲われた関係だというのに、普通に接している。
だが、素直だからこそ騙される彼らを騙して使い捨てにしようとする者も出てくるだろう。最初の相手ぐらいは素直に導いてあげるのも悪くはないですね。
さて、現実に戻って金策方法でも勉強しましょうか?