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第八話 ハナ……もう始まっていた!

 これはフリーライブ前日。大野ちゃんからメールが来ていたのだ。


『今度のライブをしっかり見ていて欲しいな』

 しっかり……うーん、いつも見てるよ?


『今電話できるかしら』

 とメールが来た。私はオッケーを表す絵文字を打ち返したら秒で電話が鳴る。これってすごいよね。


 だが彼女は間髪入れずに

「……いきなりだけどさ、清流ガールズに入って欲しいの」

「はいっ?!」

 いきなりそう言われても……なぜわたしが。そんなに可愛くもないし、デブだし、踊れないのに。


「あなたを初めてエステで見た時に、可愛いって思って。でもしばらくお話をして、少しの間あなたを見ていたわ、ごめんなさい」

 ……だから何かと色々聞いてきたんだ……。


「正直ご当地アイドル、アイドル業だけでは生きていけないの。芸能界は厳しくて、コネとお金が大事。手に職があるとさらに良いのよ。わたしは子役を辞めて休んでいる時に取れる資格は取ったし、勉強もたくさんした。あなた、最近エステの資格合格したって聞いたわ。段々技術も良くなってるし」

 ……もしかして私に対して色々とエステ中にアドバイスしてくれたり、試させてくれたのも……。


「今度のフリーライブ見て、別日にオーディションしたい。何人か集まるけどあなたは特別。あなたなら出来るわ」

「で、でもっ……」

「あなたは可愛い、愛されるキャラになるわ」


 そんな、私可愛いなんて……あ、でも……一人だけあるか……。

 そんなことよりもものすごく押しに押されまくって

「はいっ」

 て言っちゃった。後にはもう引けなくなったよ。どうしよう。



 歌うのは好きだけど……私運動音痴……。エステの手技も覚えるの大変だったのに……。



 ……でも、アイドル……ご当地アイドルだからなんとか……。

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