◇◆アース歴200年 6月12日・夜◇◆
「ぜ~は~ぜ~は~……何なのスケルトンってモンスターは!?」
受付嬢さんが低級モンスターだから大丈夫って言ってたけどこがなの!?
頭だけになっても襲おうとする執念、それに私の剣やナイフまで使うなんて……。
明日ギルドに行くしその時文句言ってやるんだから!
「はぁとにかく今日はさっさと宿屋に帰って寝よう……」
※
「ふぅ、今日は遺跡の奥まで結構進めたわね……ん?」
あれって……あ、やっぱり宝箱だ!!
やった! 何かいい物が入っているといいな~。
「さてさて、中身は何かな?」
レッツオープン!
――何だこれ? 白い棒みたいな物が宝箱にびっしり入ってる。
「これって……骨?」
なんで宝箱の中に骨が……え? 骨?
「まさか!?」
宝箱から離れないと!
『カタカタカタ』
やっぱり宝箱の骨がくっ付いてスケルトンの姿に!
「っ!?」
何で? どうして? あのスケルトンの両手に私の剣とナイフも持ってるの?
剣はともかくナイフは確かに取り戻したのに。
『カタカタカタ!』
とっとにかく早く逃げないと。
ここにいたらあのスケルトンに殺されちゃう!
『カタカタカタカタ!』
「はっ、はっ、はっ」
『カタカタカタカタ!』
「はっ、はっ、くっ」
走っても走っても追いかけてくる!
「はっ、やだ! 来ないで!!」
なんで!? どうして私を狙うの!?
『カタカタカタカタ!』
◇◆アース歴200年 6月12日・夜◇◆
「う~ん! う~ん! こないでええええええええ!」
――ドンドンドン
《おい! 真夜中にうるさいぞ!》
「――はっ!?」
え? 今のは……夢?
――ドンドンドン
「ひぃっ」
誰か扉を叩いてる!?
まさかスケルトンが――。
《おい! 聞こえねぇのか!》
よかった、どうやら人みたいだ。
《おい! 返事しろや!》
「あ、はい!」
でもなんかすごく怒ってるみたい……。
「……えと、何でしょうか?」
《何でしょうかじゃねぇよ、真夜中に大声を出すな! ここは壁が薄いんだ、うるさくて眠れないじゃないか!》
私そんな大声上げてたんだ……。
というかあんたの声も相当大きいじゃないの。
「すっすみません。静かにしますから」
《今度うるさかったら追い出すからな! ったく――》
行ったみたいかな?
「はぁ、そんな事を言われても寝言だからどうしようもないじゃい、ブー!」
それにしても夢にまでスケルトンが出てくるなんて。
とんでもない悪夢だったわ……。