さて、一旦おまけ論は終了してここからが特別論です。今までは実在しない世界の神話の話をしてきました。しかし神話というものは現実に存在した史実を基に書かれた信仰だったりするのです。トロイア戦争の件が有名でしたよね。神話だけの世界かと思いきや史実で遺跡が発見されたのです。
そう、マヤ文明の遺跡群で地下神殿が大規模に発見されたのです。ということはこれこそが「シバルバー」では無かったのではないだろうか。なぜならマヤ文明時代の都市は戦争で敵の王もしくは貴族を虜囚することが非常に重要であり、王が捕らえられた都市は威信を大きく落として衰退するからです。そして神話上のシバルバーもそうでした。このシバルバーの逸話は神話などではなく「史実」だったのでは?ということになります。つまり神殿の地下にあった都市群は単にお墓(墓地専用)などではなく僧侶階級などが寺領として地下都市を支配し暦も管理するという一大都市文明だったのではないだろうか。なおマヤの暦は2011年10月28日までしかなく「2012年で(人類主導の)世界が終わる」などと世界中で大騒ぎしたことがあったが単に当時のマヤ文明人がそこまで自分の文明が続くとは考えていなかっただけで「Y2K問題」と本質が一緒だったということが2013年の元旦に分かった。人類はとりあえず21世紀初頭には滅びませんからね。安心してください。ちょっと昔に発行されたトンデモ本を信用しないように。今のマヤ歴はコンピューターで自動生成出来るほど継続している。マヤ文明は暦を含めて二十進法である。
なおマヤ文明はマヤ文字というものを使用しているのでちゃんと記録を解析できる(※文字が無い文明は遥か南にあるペルーのインカ文明だ! 混同しないように)。ただしマヤ文字はまだ80%しか解析できていない。マヤ文字は絵文字で要は古代エジプトのヒエログリフと一緒である。この時点で「4大文明」という概念は既に崩壊しているのではないか? 5大文明と記述を変更しよう。そうマヤ文明が近所のアステカ文明やさらに北のネイティブアメリカン達の文明を構築した可能性が高いのだ。
2024年6月12日付けで学術誌『ネイチャー』に発表された論文が物議をかもした。定説を覆したのだ。地下の湖に眠っていた回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、なんとすべて男児で(!)多くが3歳児から6歳児で兄弟児だったのだ。逆に言うと2024年までDNA鑑定をしていないという事実も驚きだが。ということで聖贄の遺骨こそ特に大事にシバルバーに保管されたのではないか。それどころか「マヤ文明は熱帯低地で栄えたために食物の長期保存ができず」……とあるがその食糧保管場所こそがひんやりして冷たい「シバルバー」だったのではないか。冥界や地下世界こそ富が豊かと言うのも案外こんな事が事実だったのかもしれない。まさにリアルダンジョンである。もちろん罪人もここに虜囚されるのでいろんな意味でリアルダンジョンである。ラノベの書き手はいい加減に東京を舞台にしたダンジョン配信ではなくマヤ文明つまり中央アメリカを舞台にしたらどうなのだろうか。
つまりメキシコにおいて冥界とか魔界と言うのは絵空事ではなく実在した可能性が高い。この文明を解析することでメキシコやグアテマラは一大観光地になるのではないだろうか。
最後に念のために言うがマヤ文明は紀元前1000年ごろから16世紀にかけて展開したのがマヤ文明、1350年から1532年に存在したのがアステカ文明でマヤ文明の後継がアステカ文明ではなく滅んだのもアステカの方が早いということもぜひ、世界史入試の必須項目だから覚えておこう。マヤ文明滅亡の原因もスペイン人の進攻や火山噴火ではなく気候変動だった可能性が極めて高い証拠で発掘されたことも分かった。そう、つい最近まで我々人類はマヤ文明滅亡の理由すら分かって無かったのだ。
――もっと税金を正しい方向に使っていれば今頃グアテマラは豊か国になっていたのに……。おそらくエジプトやギリシャ並みの観光地になっていたであろう。
それでは次に「シバルバー」とは何かについて説明しよう。
君は古代文明の新・発見についてワクワクしないか!? 私なら脳内に「インディー・ジョーンズ」の例の音楽が流れるぞ。そう、ペトラ遺跡(地下遺跡:ちなみにあの「インディー・ジョーンズ」の撮影舞台にもなった)並みの発見がなされたのだ。しかしこれは映画ではない。現実だ。
※参考文献:『ナショナルジオグラフィック』