目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
13.様似・アポイ山麓ファミリーパークキャンプ場→広尾・めぐみ屋旅館

 7/1です。一応えりも岬を目標にしていた「はず」の日です。

 この日は散々! で、何というか、「この日のことを考えれば後は……」という、何やら度胸がついた日でした。

 何たって、この日の距離……

 約80㎞って…… 何ですかいったい。

 しかも途中から霧~雨。

 泊まる予定だったキャンプ場は本当に偶然休み!

 ……という散々な日でした。



 さて起きたのは5時くらい。雨だか霧だか降った様です。

 ワタシのテントは決して雨天に向いているとは言えないんですが、それでも夜に降る雨に気付かない程度には防水も効いていました。

 起きた時には曇り。

 自転車には120リットルビニル袋を二枚、前後にかけていましたが結構雨がたまっていまして。

 テントのほうはフライシートは雨と結露でたいへん。そして蟻がたかりまくり(笑)。まあそれはどれもばさばさと払ってですね。

 行こうか留まろうか、今一つ迷ってた次第でした。何せこのキャンプ場はいい感じの場所だし、温泉はあるし、近場にコンビニもあるし。

 だけど6時くらいに薄日が射してきたので「行かなくちゃなー」と。

 ただいつ降ってもおかしくはないので、120リットル袋の中に荷物を詰め込んで後部に括り付けました。

 出発は8時近く。海沿いをまた走り出しました。

 途中、トンネルなのか覆道なのか判らないけど、「海が横から見える」覆われた道(幌満トンネル?)を通ったんですが、まあ波の音が凄い!

 その覆道を通っていたのが8時半くらいなんですが、そこから10時くらいにセコマえりも大和店に飛び込むまで写真無しでした。ガラホ出せず。案の定雨降ってきた訳です……



 飛び込んだセコマでは旅人に人気の「ホットシェフのカツ丼」500円と、「ザクザク食感のシナモンアップルパイ」138円、それに飲み物をイートインコーナーで早めのお昼ということに。あと食料の買い出しも。

 このカツ丼! 肉が実に充実感あります! ごはんは少し少ないかなー、という感じがあるんですが、肉が!

 そしてこのザクザク~のアップルパイ。138円という価格とは思えないずっしりとしたりんごの甘煮がみっしり詰め込まれたものでした…… この旅でも、あれば買ってたし、帰ってからも恋しがっていた程です。

 そして10時半過ぎにこういう決意めいたツイートが。


>雨なら休むと言っておきながらこの様ですが!…反省はするが後悔はせん。今回のずっしり重いポンチョは浜松なら暑くてあかんがこっちなら。そして超安全走行!風向きよし!


 ええ、本当に雨と判っていたら……

 だがしかし、考えてみたらこの時期のこの地域で雨にならないことの方が少ないんだから、何処かで出るのは仕方ないですし、そのために重いポンチョな合羽を持ってきてたんですからして。

 ただしこの時点で食事する際に内側が汗びっしょりだったので、着替えはしました。

 そして新たに出発。

 一応民宿が周囲にあるよな、と新ひだか町では確認しつつ。

 歌別の辺りは周囲のなだらかな緑がもさもさして非常に目に優しく。

 そうこうしているうちに、「右手に襟裳岬」的な大きな方向指示が。……思いっきり多国語(英語中国語ハングル)で書いているのには微妙な気分になりつつ。と言っても、そんなのは序の口だったんですがね!

 それまでの336号線から右折して、……霧と雨と横風! そしてアップダウン! の中へと飛び込んでいきました。

 いやもうここからは実はあまり記憶が(笑)。

 看板の写真のツイートが11時半。その次が何とか雨の中で12時13分。


>襟裳岬まであと7キロくらい。風つよっ!


 これしか文章書く余裕無かったようですね。でも書きたかったらしい(笑)。風がそれだけすごかったということを……!

 次が12時45分頃。


>何か3月くらいの冷えかたなんですが~カッパが防寒にちょうどいい。延々霧雨が吹きっさらしてるから。


 あと落ち着いてからはこんな風に表現を。


>えりも岬のアップダウンは日高側が凄まじいぞ。降りて歩いて周囲確認してから下降のエネルギー使って途中まで登り、を繰り返すんだけど、ともかく横風が冷たいのよ…


 内側に着ているのが綿だからまだ何とか保温できているという感じでした。

 化繊だったら汗の水分が外に出ていき、温度差で合羽の内側が濡れまくりになる。無論綿も水分は放出するんですが、熱も一応抱え込んでくれているので冷え切らないで済んでいました。

 全体的には、走っているからまあ何とか体温とのバランスが取れているという状態でした。

 13時13分のツイートは写真。数メートル先に既に霧がかかっていて怖い。

 で、その霧のあまりにあまりな状態と、やっぱり体力消耗してるし~ということで、えりも岬は断念! 


 次の14時15分くらいのツイートは既に道の突端を過ぎた辺りでした。

 こちらに来たら唐突に風も霧も治まりまして…… 何って楽なんだ! と足がしゃかしゃか動くのにびっくりしました。

 これはまあ風向きの関係もあります。

 だいたいにおいてこの時期は「北向き」「地図上の上方向に行く」のは風向き的に楽なのです。これは後にオホーツク道とオロロンラインで思い知りました……

 ヤギの声がする、とか言っている辺り、周囲に農場があったことも確かですね。

 そしてこの日目的にしていた「百人浜オートキャンプ場」へ向かったんですが……

 何と! 

 ちょうどこの日あたり数日が設備管理の関係で休みでした…… 本当にピンポイントに……

 そこでせめて、近くに民宿や旅館は無いか、とキャンプ場の方に聞いたら、広尾方面に向かう方で二軒の名前を出していただきました。

 で。電話したらどっちもアウト。空きがない・休み。ため息つきつつ、オートキャンプ場へつながる道の入り口あたりで少々考えました。

 引き返すのは無しです。風向きからして、どう考えてもしんどい。では前に行くしかない。地図を見ました。ひたすら336号線。そして店とかまるで無いです。

 そこでまあ、広尾まで走るか、という決断を。

 途中にはトンネルにつぐトンネル。雨が防げるならいいか! と。

 危ない考えですね!



 さてトンネルですが。

 初っぱなから「えりも黄金トンネル」という4941m、5㎞近いものに入ってしまいました。

 これはもうカルチャーショック極まりないシロモノでした。途中に休憩所的な場所があるなんて! と。実際そういうところで休んだりもしました。

 ただこの先に続く目黒1876m・新宝浜2438m・タニイソ2020mといったトンネルもそうなんですが、比較的新しかったので、走るのは楽でした。そして予想した通り雨と風から守られている。

 後に経験するトンネルより交通量も少なかったのが良かったです。時間と天気のせいもあるかもしれませんが。

 もうひたすら走りに走りました。

 ただ一つ、トイレが! 店が無いということは、それが問題でした。

 しかしこれが、ぽつんぽつんとですが、簡易トイレが置いてあったんですね。ツーリングマップルで「約30㎞区間GS無し ガス欠注意」とあるくらいな辺りですから、自転車ならなおさら。飲む方は用意してあったけど、トイレは! と思っていたので、ともかく飛び込みました。

 途中に「フンベの滝」もあり、晴れていたら良いだろうなあ、と思いつつも、その余裕もなく。

 ただ18時の時点でまだ明るいという、この時期には感謝しました。18時ジャストのツイートではまだ曇りのうちでは明るく、……そして遠くが霞んでいる写真が。



 結局落ち着いてツイートしているのが19時48分です。


>やっと落ち着いた…

いや15時くらいに目的のキャンプ場着いたのよ。そしたら4日まで整備の関係で休みですと‼

そこで紹介してくれた一番近い宿(進行方向)に電話したら「今日休みですよ」。


>仕方ないから次の予定地まで走ったわけよ…38キロ先。それまでの道のりが今日は写真の通りのとこだから、ずっと霧雨状態で。滅茶苦茶長いトンネルだらけだったのがありがたかった。だって基本トンネルって起伏ないから。ただなんキロ単位のトンネル…息が白い…車も来ない…貴重な経験だったわ…


>で広尾の中心で駄目元で飛び込んだら素泊まりオッケーランドリーありだったのね。地獄に仏気分。で、今洗濯しながら風呂待ちしてる。昔ながらの街中の旅館で和室。はれほれ。


 広尾の市街地に着いて、さてどうしようかと。

 そう思いつつどっと疲れが来たとこに、一応調べておいた中にあった「めぐみ屋旅館」が目に飛び込みました。

 そこで聞いてみましたよ。一か八か、飛び込みで「素泊まり女性一人、は無理ですか?」的に訊ねたんですね。カッパのまま。無理なら「翌日の予定」だった「シーサイドパーク広尾」へ行こう、と思って。

 そしたらご主人のひとことで泊めてくれました。地獄に仏的気分でしたわ。

 荷物をえっちらおっちら運び込み、濡れた服は洗濯しまくり、風呂にも入ってようやくほっとしました。

 何でも「普段は工事の人で一杯なんだけど」ということだから、もしかしたら雨だったから空いてたのかもしれません。二人部屋らしき和室でがーっと寝ました。

 でもまあこれがきっかけで「何かあった時に旅館」という選択肢があっさり取れるようになったのは確かですね。

 検索して電話して部屋があるか聞いて~を、前日とか直前とかに。ですので、その後の旅館とかゲストハウスは全部そのパタンです……

 それにしても本当に「なつかしの昭和の旅館」といった感じでした。室内電話も昭和のかほりでしたし。


 まあそんな、「いざとなったらこの日を思い出せ」の日でした。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?