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9.苫小牧港→厚真・大沼野営場 最初にここ選ぶか!

 さて苫小牧港で降りまして。「涼し~」とのたのたと出発。

 灼熱の東海地方から来た奴からすれば、もう何って快適な! と言うか、我々的な感覚では「四月末か?」でした。

 そして即、ターミナルの人に「何処から出るんですか~」と、「判らないことは聞く!」を実行。

 そして道路に出たらまず目に飛び込んだのは「アカツメグサ」。これはもう最後の最後までお馴染みの草花でした。シロツメグサ(普通のクローバー)は我々の方でもお馴染みですが、アカツメグサはそうあるものではないんですね。まあそれは後になって、農作の違いなんだろうとは思ったんですが。

 それとフキ! このでかさには思わず立ち止まりました。コロポックルが住んでるって言われても確かに納得しますよ!

 あとハマナス。赤系の野バラと言えば判りやすいでしょうか。ただ野バラと違って花がでかい。だいたい山茶花くらいですね。ウチにも挿し木であるこたあるんですが、これは本当に強い! 砂地で増えていく類いですから。

 これらはもうひたすら見ることとなりました。

 そしてこの「何ってことない路上の草花」にワタシは何だかんだ言ってその後ずっと心をとらわれてしまってます。

 何たってこれに心を留めることができるのはスローペースでないと無理なんですよ。それにこれらは歩道によく生えている。

 歩道の割れ目とか端っこという「隙間」というのは、所謂「雑草」達にとっては、生存競争から解放される場所なので、種類が判りやすくのびのびしているのですね。

 でもまあこの日はともかくこの二つに目を見張ると共に、何と言っても「初セイコーマート(以下セコマ)」でした。

 噂では聞いていたんですよ! 北海道のセコマは素晴らしい! 美味しい! と。だからずっと気になっていました。それがまず苫小牧港を出た後、そこにあったので、お昼もそこいらで立ち食いして、その日の晩飯も調達。鶏ももなサンドイッチって何だったんだ、と「この時点では」レシートを残していなかった自分が悔やまれます。

 後にはきちんきちんと残したので、それはそれで面白いんですが。



 さて、この日の目標とするキャンプ場は厚真町にある大沼野営場でしたここですね。

 苫小牧港から27㎞くらい。お昼くらいに到着したので、あまり遠くない所に。

 ……ですが、無論こういう時はまず迷いました。

 というのも、ナビ入れても何でも判りづらいところというのはあるんです…… 特にまだこの時点では、地図上では判らない起伏が散々あるということを知らなかっただけに……

 この起伏というのが、実際の距離よりも長く感じさせるんですね。

 それと「農道」。これがこんなに広いとは思ってもみませんでした……

 そして一応入り口が見つかって入って行くんですが…… 後に「ツーリングマップル」で確認すると「サイトまで700mのダートあり」でした。なおかつ上り! 

 もう最初から、今後やってくる様々な「……地元とこんなに違う!」のサンプル集でした。


 それでひーこらしつつ、何とかたどり着いたら、まあ何って言うか「林間」そのもの。

 大沼の左右で雰囲気が違っていたのですが、ワタシは林間の方を選びました。いやもう高い木々、その香り、かさかさ足元で鳴るふかふかの落ち葉。

 この日こちら側に居たのは、この時点ではあと二人。バイクの人々はこっちに居たようですね。沼の向こう側の芝生エリアには家族連れが車で来てました。

 先に来ていたバイクのひとよりの背後辺りにテントを張りまして、ともかく水を汲んだり飲んだり、トイレの確認とか。沼の辺りもちょいと歩き回りまして。実に静か。

 そうしたらもう…… 水に感動しました!

 何なのこの冷たくて美味しい水道水は! と。目を剥くほどの驚き! 

 疲れていたというのを差っ引いても、美味しかったです。これが水の第一印象だったのは実に良かったです。絶対この土地は他国になぞ! と思いましたもん。


 ただこの日、管理費を取りにくるはずの管理人さんが回ってこなかったんですよね…… 他のキャンパーさんに「管理人さんですか?」と間違われたくらい、……来なかったんですよねえ…… 

 普段は一体。


 まあそれはともかく、この日だけは焚火で湯を沸かしました。

 周囲にはもう拾ってくれとばかりに小枝が沢山。大きな枝もありましたが、そっちには手が回らず。

 ただここで気付いてしまったんですよ。ワタシこういう焚火の煙に弱いと! じっと湯が沸くの待っていたり、ぼーっとしているとくらくらしてきたり。

 翌朝はバーナーにしました。

 ただここで焚火をやること自体は簡単で良かったです。と同時に、絶対直火はまずい、ということがよく判りました。何せこの落ち葉達、実によく燃える! 自然の着火剤ですよ! 火が弱くなったらともかく周囲の葉っぱを入れて火の調節をしました。

 ちなみにワタシは焚火そのものは割と小さな頃によくやって…… というか、母親がやる時に近くに居たりして、馴染みがありました。まだ当時は周囲に家も殆どなく、普通のゴミは定期的に横の畑で燃してましたから。

 あと、火を点けるとか強くするとかの類は、長いことウチが豆炭を使った掘りごたつの家だったことで、馴染みがありました。コンロで豆炭に火を点けるのにかかる時間とか、火を止めてからしばらく外で燃しておいてから中に入れるとか、火が弱くなったらかき回したり炭を次いだり空気を入れたり。そういうことは割と感覚で身についていたというのは大きいです。

 なので焚火スキルは決してまずくはないと思うのですが…… くらくらするのはなあ…… と、この時焚火道具は一旦送り返すことを決めました。2.では抜け落ちてますが、その時点までは持っていた訳ですよ。結構重い。

 で、夕食ですが。「やっぱりこれですわ」でカップヌードルでした。

 あとスープとかブレンディのカフェオレの粉末とか買ってたので、それでまったり。

 陽が沈むのはもう時期的にずいぶん遅かったので、夜が来たらすることもなく、まあ早い時間に寝ることに。

 練習キャンプの時には持っていなかったけど、この時点までに一応新規に仕入れたエアマットも敷いて。おやすみなさいー、ということでした。

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