走って泊って流れてみて判ったことは色々ありました。
●ママチャリ
チャリは2018年の春先に買ったものです。
自転車屋に行って「国産でがっしりして26型で両スタンドにして荷台つけて『バンクしにくいタイヤ』で総額3~5万」というのがワタシの条件、というかお財布の限度でした。
ママチャリは普段使いでそう簡単に壊れない、というのがやはり重要です。自分でメンテできることなんて、空気調節と、せいぜいパンク修理だけです。
だから前年から何となく「これで長距離走りたい」と思っていたので、簡単に壊れないものが必要でした。ホームセンターの1万割ってるものは、通勤程度ならいいんです。チェーン外れても自分で直せるし。ただその状況が出やすいようなちゃちなものでは困るなあ、と思ったので、ちゃんと国産メーカー品が欲しかったんです。
ただ、それ以上の高価なものが欲しいという訳ではないし、変速機も3段しかないです。
実際は通常3で、時々厄介なところを2にする程度でした。
●荷物
前かごと後ろの荷台に同じ布で作ったものをつけてました。
材料はイタリア軍のシャツ生地マテリアル(オックスフォード)空色。
買った時は仕事していたし、何か異様に惹かれるものがあったんで「ええい!」と買ったんですよね…… 100メートル巻だったんですが……
ただまじこれ丈夫! 吸水性良し! 肌触りよし!
ちなみに何でバッグが手作りかというと、
1.ちょうどいいものを探して買うのは面倒だし高い
2.市販品は大概重い
3.状況によって形が変わるくらいのほうがいい
だったんですね。
で、当初まずテントの横サイズあるものを作り、底から縛る帯を二本縫い付け、「これでいいかなー」と黒いゴムバンドで一回りさせた上にやや長めの自転車用ゴムロープで二重に締めつけました。
ところが初日に、どうもふらふらと安定性が悪いことに気付き、慌てて「底」になる100均で買った壁掛け網を縫い付けました。
これは安定性はありましたが、あまりに縛り付ける力が強かったせいか、途中で曲がりました(笑)。
◎後ろかばんの中身。
・地図
・クロッキー帳
・バインダー
をすべらない様に置いてから
・寝袋
・布もの
を詰めてその上に
・テント。
長さの差でできる隙間を布もので埋めてバランスを取り、最後に締めて結ぶという形でした。
もっともそれでも毎日いつもバランスが良く入ったかどうかは頭をひねるとこでしたが。
○テント
「キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) テント クレセント ドームテント M-3105 ドーム型 3人用 防水 軽量・コンパクト設計 バッグ付き」とアマゾンでは出ています。途中から時々同じテントを使っている人を見かけました。ベーシックなものの様です。
200×200センチの正方形でしたので、ワタシは対角線に寝袋を置いて寝てました。奥に後ろかばん、出口側に前かばんをおいて、大概中身をぶちまけた感じでのほほーんと過ごしてました。
この広さがやっぱり毎日の終わりを落ち着かせてくれました。
案外雨にも弱くはなく(本当に強いかは謎だけど)、夜中ぐっすり眠ったあとに「あー雨降ったんだなー」と気付くくらいで。結露はあったけど、浸み込んで困ることは無かったです。
難点は何といっても前室が無いことと昼間暑いこと。
まあいっか、と身体半分乗り出して湯を沸かしたりしてました。
広いので靴は毎度収納。
風が強くなるまでは結構ペグなしでも使えました。つか荷物が重いんで、広げたら中にどんどん重石の様に荷物入れてから組み立ててました。
○寝袋(3シーズン用封筒型・化繊綿で2000円台のやつ。メーカー忘れた)
基本的に寝る時にはフリースシャツを着て足の方にフリースブランケットを入れていました。それでもさすがに朝起きて15℃の時には寒かったので上に布類をどかどか乗せて…… という程度の保温性でしたね。5月に練習キャンプで地元で使った時には暑過ぎました。
○グランドシート代りのブルーシート
テントの感想欄で180×180でいい、という感じのことがあったんで持ってったのですが、ワタシの張り方の適当さと風の強い時とか考えると、もう一回り大きい方が良かったかもしれません。
○地図
当初はスーパーマップルを切り取っていったんですが、縮尺の差にどうもルート選定がしづらくなって、コンビニで売ってたライトマップルに変えたら判りやすいこと!
薄いし縮尺が1/300000一定なんで、どのルートにするか考えるにはこっちの方がいいです。
○クロッキー帳
……である必要はまるでありませんでした(笑)。次回は小さなスケッチブックにします。ルート下書き・その他書きたいものがある時用。時々切り取ってはその場その場のメモにしました。台湾から来たひととの筆談に役立ったこともありました。英語も話すより書く方が楽だったので。
ただもうでかすぎたので……
○A4バインダー
当初は切りとった地図入れだったんですが、途中で地図を廃棄してからはその土地で出している町紹介パンフとか、キャンプ場内地図とか、途中で買ったマンガ雑誌の切り取り等入れるのが中心に(笑)。
これはあってよかったです。ただもっと軽いものだったら良かったかなと。
○着替え
……これがまあ、確実に「自転車旅」とはかけ離れた格好でして。
かばんと同じ布で直線裁ちの上着を4枚と足首近い長さのゴムスカート3枚。
全くもってスポーツとは無関係の普段着です。
上着は襟ぐりと袖の長さと幅がそれぞれ微妙に違っていました。というか、その時乾いていた3枚を持ち出してきた訳です。暑い時には一枚、少し冷える時には重ね着する様に、と。
寒いと感じる時には幅の詰まったものを下に、そうでないものを上に着込み、下に着たものの裾を入れる入れない、で温度調節してました。
だからまあ、見た感じはずっと同じだったと思います。真っ青。
ただしその後、上下1枚ずつを船の中で作りました。
当初は3枚/2枚だったのですが、自宅~名古屋の中ですぐに洗濯が必要になることに気付いて、一応持ってきていたシーツ一枚分の布を船の中でざっくり切って縫ってシャツとスカートにしました。
……まあ、その程度の簡単にできるシロモノです。生地がいいから縫いやすいし。この色は白い糸が一番似合うというのも良かったです。強度を高めるための本返し縫いのステッチが一番似合いますから。
ただそれでもさすがに洗濯は必要なんで、「ランドリーある? ない?」は結構旅先では重要でした。
速乾性のものとかスポーツ用とか色々あるんでしょうが、「お金をかけずに行く」も相当なテーマでもあったんで。
それにもし速乾性のものを持っていったとしても、結局は洗濯はするし、男子ではないからあっさり干せないんですよね。下着もあるし。
だったら別に着やすい奴の方がいいんではないかと。スピードを気にする旅でもないのだから、自分が楽な格好の方がいいと思いました。風通しがいいくらいの方がいいです。
……それにそーいったスポーツウェアは大概身体の線が出るくらいのものではないですか。嫌ですよ。まじ。
あとスカートは邪魔ではないのか? という疑問を良く聞くんですが。
ママチャリの体勢だとまずそういうことは無いです。
一応タイツ系は履いていたので生地がまとわりつくことはなかったです。
で、乗ってしまうと元々もの凄くひらひらしている訳ででもないスカートは座ることで相当後ろが短くなり、車輪に絡むとかいうことも無いのです。
そして長さ。長すぎるんじゃないか? とまた言われそうですが、ひざ丈くらいの方が逆に邪魔です。ある程度の長さがあると重みでそうそうめくれません。
……ワタシはそれこそ下半身太りしまくっているので、まずこの動きをしても苦しくないパンツ類を探す方が難しいです。大概の市販品は絶対と言っていいほど、尻の大きさに釣り合わず、腹に食い込んでしんどい羽目になります。
太股が入ったら今度はウエストがだぶだぶだったり。もう何か面倒になって、作業着でない限り(前職ではそれすらも改造しましたが)ずっとスカートです。
ニッカーポッカーもどきを作ったことはありますがね(笑)。
あと、頭にはサンバイザーに加え、正方形の布を三角に折ってかぶってました。
基本は風でバイザーが飛ぶのを避けることと、耳とその下のリンパの辺りを隠すためでした。
バイザーは横を車がすれ違う時の風で舞い上がります。それは困ります。
耳とその下のリンパの辺りというのは、下手に日にあてると熱中症の元になります。ので相当気をつけてました。
……ヘルメット…… 時速10キロ出せないこの格好の人がかぶっていることの方が何というか奇妙ですよね。歩道(「自転車も可」的の)があったら歩道を走ってましたし。のでしていなかった訳です。
そのへんをふよふよ流しているおばさんがしゃきっとしたヘルメットしていることの方が奇妙だし!
まあ転ぶ前に止まる、を徹底してました。おかげで今回一度も転んでません。
なお持ち物ではないけど。
○靴
「アスファルトの坂道を歩く」ことを前提としていたので、普段の履きなれたムーンスターの紐無しウォーキングシューズを履いてました。
坂は大概歩いてましたので、踵が多少なりともあって正解でした。
○寝巻用フリースシャツ1枚
○保温用フリースブランケット1/2
○タオル
4枚。やや厚い1枚はバスタオル用、と決めてました。
◎前かばんの中身
後ろかばんより適当なシロモノです。この中に後ろかばんとハンドルに引っかけた小さなバッグ以外のもろもろを押しこんでいました(笑)。
○炊事系
・固形燃料
100均のもの4袋。3×4回使えた。
・着火用ライター
百均で購入。固形燃料が必要な時だけ。
・クッカー(鍋)
2000円ちょいの適当なメーカーのセットの中の鍋だけ。アルミだと思う。1リットル湯が沸かせました。ワタシは朝とかマグ3杯くらい呑んでましたから、そのくらい沸かせてちょうどよかったです。
・カップ
キャブテンスタッグのダブルのステンマグ。凹みもしたけど何でも入れましたw
ダブルだと保温力が増して、熱くても外側が持てない程になることもない、冷めないというのが魅力でした。逆も然り。北海道の水は美味しかったので、冷たくて美味しいというものが冷たいままというのも良かったです。
・ガスバーナー
イワタニのジュニアコンパクトバーナー。カセットガス用。ガスは固形燃料が終わった後で、2本使いきるくらいでした。
最初に持ってく装備の中で、テントの次に高いのがこれだったんではないかと。お金はかけたくないとは言え、火を使うものですし、こればかりはきっちりとした国産メーカーものが欲しかったんですね。CBガスにしたのはもう単純に「何処でも手に入る」からです。
○電気系
・電池
・ガラホ用充電器
当初、単三10本パック4本持ってったんですが、正直今思えば苫小牧のドラッグストアか電器屋で買った方が良かったかなと(笑)。
重いんですよ! 実際二度買い足しました。
そして充電器に使う訳ですが、充電器との相性が悪いと充電ができないとか、ランタンには充分明るいのに! ということで充電器は当初4本使うものだけだったんですが、途中のセコマで3本使用のものをもう一つ買ってとっかえひっかえ使ってました。 ……なお大容量バッテリというものを帰ってから知りました……
・ランタン(500ルーメン/電池式)
懐中電灯にもなります。これは普通にリーズナブルなものでも充分でした。
ただ明るさはこれが単三では限度なのが残念。1000ルーメンとかになると、単一電池が必要になりますが、……高いし重いし。まあ読書する訳ではなし、夜にルート選定する程度には充分使えました。
○自転車用
・コンパクト空気入れ
何となくペダルが重くなったなーと思ったら入れてました。2000円しないものです。100均にもあるのがびっくりですが。
・パンク修理剤(3本)
・パンク修理キット
修理剤は体験済みで、ママチャリで起こるパンクなら大概これですみます。無論後で直せ、ですが。で、一応(周にチャリ屋が無いので)パンク修理できるんで、持ってはいきました。何と! 使わなかったのは超ラッキーです。
ちなみに自転車屋はやはりある程度の町~市街でないと無いことが多く。聞いたところガソリンスタンドとかでちょっと直してもらうとかも。まあバイク直せるとこでは大概自転車のバンクくらいなら直せます。チェーンの弛みに関しては自転車屋を見つけた時に入った方がいいです。結局行かなかったんですが……
・120リットル厚手のビニール袋×10枚
結構重いのですが、ともかく便利です。で、必ず何処かで入手できる訳でもないので持っていきました。雨天時に荷物を一気に入れてしまえるのが良いです。あと、前後で2枚使って乗らない時のカバーにしてました。
・合羽
ぶ厚い長いポンチョ。バイザーかぶった上でフードを被る。結構重量があります。と言うか、そのくらい無いと風でひらひらするので、あえて重いのを選びました。
○健康面
・眼鏡とサングラス
度入り強弱2種・度無し無色・薄色・濃色2本、計6本を持ってました。
持ちすぎじゃねーかと言うかもしれませんが、視力0.05のうえ紫外線に弱いんですよ! 裸眼じゃ昼間外出られません。目から来る頭痛で大変なことになります。
サイズはでかいものです。1000円程度のカインズの焦げ茶系が一番顔にぴったりしてなおかつ曇りにくいので好きなんですが、廃番なんでもう一つは似ているものでした。これはぴったりしすぎて曇りやすく。
晴れた日には濃色、薄いのは夕方とか曇りの日、度無しは夜にかけてました。あ、普通に自転車では裸眼視力のままです。
度入りは何と言ってもトンネル! これは絶対必要でした。暗いし対象物の距離が掴めないし。だから相当耳から入る情報は大切になってきます。
ただ基本的に裸眼なのは、度入りは世界が平面から立体的になってしまうからです。長く左右視力が違って平面的にしか見えない目だったから、立体は辛い……
あとはまあ…… 見たくないものも沢山ありますんでね……
大概前かばんの中でもすぐ取り出せるようなところに入れてました。天候やトンネルがあったらすぐに変えられるように。でもいつもではないから下げバッグには入れず。
・薬
歳とか体質とか運動とか環境とかあれば必要ですよね!
以下のものを一つのポーチに入れてました。つか今でもそうしてます。
★医者薬2種類
★サプリ(鉄とマルチビタミン+コエンザイムQ10)
★ムヒEX(虫さされ用。実際は一度しか使わなかったw ありがたや)
★トローチ(風邪予防と喉保護。医者薬。吐いた時の喉荒れにも効いた)
★葛根湯(風邪薬。現地ツルハで購入。結局使わなかったw)
なおこれは入りませんww沢山だしでかすぎる。
★湿布
★マウスピース(睡眠時無呼吸症候群用)
○日用
・歯ブラシ
これと決めてるもの4本と歯磨き粉。安いけどこだわって使ってるんで。
・せっけん
純せっけん2個。基本これで顔から頭から身体から全部洗ってます。
風呂や温泉のボディソープも悪くないけど、それだけだと……
・裁縫道具(針+糸+手縫い糸数巻+布)
・タオル
・生理用ナプキン
まー女なんで。ほとんど本来の用で使うことは無かったんですが、……それ以外で役立ってくれました…… 吸水効果が凄いので。
・ペンケース
ボールペン・マジック・えんぴつ・赤ペン・編み物用かぎ針・ナイフ・カッター。
実際は一番使ったのは細いマッキー的なマジックでした(笑)。カッターはちょっとしたはさみの代りに。
・消毒用アルコールスプレー
これまじ役立つ。自転車旅行、というより長旅の時。
一番は傷の消毒のためだったんだけど、むしろ除菌という意味で「洗濯がなかなかできない服の匂い消し」とか「靴の中にスプレーしておく」とか風呂に入れない日の「ウェットティッシュのかわり」に。ただしでかいので、小分けしたほうが良かったと反省。
◎ハンドルにぶらさげた小バッグ
○右側
その日調達してある食料と水。ある程度キープしておかないと道中何も無いという恐ろしいことに……
○左側
貴重品。財布等(お金+カード+お薬手帳+保険証)、ガラホ+USBケーブル+ACアダプタ。
ちなみに。
○費用
かかった金額は、
・フェリー代をカード払いにして←別財布(大体3万)
・名古屋と自宅までの費用 4万円
・北海道内 16万円
ってとこでしょうか。
全体30日越えの旅としてはまあ割とリーズナブルだったと思います。