ここは、炭酸泉と硫黄泉があり、岩風呂と冷源泉が売りの玉の湯という温泉施設。
広い内風呂は、香り立つ硫黄の湯気に包まれて、しっとりぬるぬるになるナトリウム塩化物泉だ。
「はぁー。最高」
カンナは、小さなペットショップに勤める23歳のレズビアン。
GWは働き詰めで、やっと貰えたお休みだった。
こういうのを至福の時と言うのだろう。
思い切り足を投げ出し、ゆったりと湯船に浸かりながら、
ぼんやりと洗い場の方を眺める
バシャーー!
シャワーの飛沫を撒き散らしながら、立ったまま豪快に洗う女の姿。
細身だが上質な筋肉に包まれた背中、そして太ももが非常に美しい。
肩にはエンブレムのような変わったタトゥーが施され、ぷりんとした小さめの尻が揺れている。
(んー、いい身体してるなぁ)
まじまじとその裸体を眺めていると、顔面の方も気になってくる
カンナは覗き込むように自然と前のめりになった
「ふーっ 」
女が濡れた髪を無造作にかきあげる
僅かに覗く横顔は、やんちゃそうな雰囲気で小憎たらしくて可愛い❤
頬にはVのアルファベットが刻まれていた。
たしかタトゥーやボディペイントって温泉入れないんじゃ…?
色黒の尻を眺めながら、そんな事を思ってみたり。
「…。」
こちらの視線を感じとったか、女はふと振り返る。
カンナたちは、ほんの数秒 見つめ合った
(ヤバい💦 )
むちゃくちゃタイプ(≧∇≦)💕
カンナのまばたきが不自然に増量する。
ドッドッドッドッドッドッ
高鳴る鼓動は激しく暴れて胸を打つ
(これはある種の病気だな💧)
そんな想いなど露知らず、色黒女はふんっと目をそらした。
(あーどうしよう、彼女の身体や横顔からもう目が離せない。)
食い入るように見つめていると、妄想の世界に引き込まれ、色黒女とめくるめく愛欲の沼に沈む様が…。
ああああ怖いほど官能的❤💕💖
「カンナ、露天風呂いこうよ!」
連れの武藤志織が声をかけてきた。
名前を呼ばれて、無理矢理 現実の世界に引き戻される
「志織」
志織は、大学時代の先輩で休みが合えば、とりあえずご飯を食べに行ったり、温泉行ったり、気が向けばエッチしたりと、何となく一緒に過ごすという関係。
簡単に言ってしまえばセフレかもしれない。
だが、それともちょっと違うような、以前はちゃんと付き合っていたはずで。
だけど、今となっては恋人というのとは、まったく違う気がする。
何とも言えない微妙な関係で、レズビアンには結婚というゴールがない分、長く関わっていると曖昧な感じになってしまうのか…と思うカンナである。
「う、ん。もう少し…」
「?」
志織は不思議そうな顔でカンナを見つめるが、そんな事はお構いなしで 色黒女に目がいってしまうカンナ
見ると、色黒女のもとへ髪の長い華奢な女が近づいてくる、そして何やら親しげに話している様子。
もしかして、色黒女の彼女?
いや、誰もが女同士で恋人な訳はない。
しかし、どう見ても、色黒はビアンのタチっぽいじゃないか。
我々は同種の人間を見抜く嗅覚に長けているのだ( ≖ᴗ≖)ニヤッ
1人あれこれ思いながらニヤつくカンナ
「カンナ?どうしたの?」
「あ💦 別に。まだここに入っていたいから、志織 先に外行ってて 」
カンナは慌てて首まで湯船に浸かる
「 ?…そうなの、じゃちょっと水に入ってくるけど 」
その後も喋りかけられていたとは思うが、何も耳には入らなかった。
(二人が気になって ほんと、それどころではないのよ)
すると、突然 色黒女がカンナに向かってズンズンと近ずいて来たのだ。
「おい、さっきから、なにジロジロみてんだよ💢 」
ええ〜😱😱😱😱
喋ってきたーーー!!
カンナはビックリして固まってしまう
「ルフィー💦」
長い髪が止めに入った。
カンナは、まだ驚きすぎて言葉が出ない
(そんなに見つめ続けていたのか?あからさまに?まさか〜💦)
動揺した。
(でもこの女、ルフィーというらしい)
正面から見る顔も、赤い瞳も、薄い唇も最高だった😍
素敵すぎる、一目惚れってこういうの?
見た目だけで、こんなに好きになっちゃうってあるんだね、ヤバいよ、本当に。
カンナは頭の中でごちゃごちゃと喚き散らす
「おい!なんとかいえ 」💢💢
「あ💦 …あたし、見てた?」
「見てんじゃねぇか、ずっと」
息がかかるほど近づいて、カンナは思わずその唇にキスしたくなる
「そんなの💦 あんただって、こっちを見てるから、見てたってわかるんじゃん!」
だが、思いとは裏腹に、まるで小学生の喧嘩みたいになるのは何故?
「なに💢」
「やめて、ルフィー」
「?! ちょっと、どうしたの?」
志織も気づいて慌てて、飛んできた。
「シオリ💕 」
「ミレイユ!」
2人は顔を合わせると途端に明るい表情になる。
長い髪の女はミレイユというらしい。
ミレイユは、かなり高揚した様子で胸の前で手を揉み合わせ、志織を見つめている。
(なぁに?この二人知り合い?)
「???」
こうして裸の出会いを果たしたカンナたちは、それぞれのハテナをぶら下げ、暫くの間 見つめ合うのだった。