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レオパルド様からの赤い手紙が来た後に怒涛のように様々な出来事が起こる。
まずは執事のハイゼンが急に
リオベル様曰く執事養成学校がハイゼン様を校長にしたいとの打診があったらしい。
次に国王の前で次期十二騎士を決める為の御前試合への出場命令が出た事である。
しかも相手は手紙の差出人であるレオパルド様だ。
「怪しい……」
「そうですね」
午後の
社交界を生き抜き鍛え上げられた長年の勘が何かを企んでいると言っていた。
「シロエに連絡を取ってくれる久しぶりにアリアに会いましょう」
「かしこまりました」
レオパルド様から届いた赤い手紙には魔法が施されていた。
その魔法を見て一目で施された魔法がアリアによるものだと気が付く。
アリアに連絡を取ると直ぐに返事が届き丁度そちらに行く用事があり真夜中に近くの廃教会で落ち合うことになった。
「どこにもいかないで……リゼ……」
いつもより激しく長くリオベル様と逢瀬をしクタクタになって寝た彼は寝言でも私の名前を呼んでくれている。
そんな彼の寝顔を見て可愛いと思い微笑みながら頬を人差し指で突っついた。
「よろしいですかお嬢様」
「……すぐに行きましょう」
そんな所を侍女のクロエに見られ頬を赤く染めながらも服を着替え真夜中に外に出ると浮遊魔法で宙を飛びアリアと落ち合う約束をしていた廃教会に向かう。
「お姉様!!」
「アリア~~」
約束をしていた廃教会で王都から来たアリアと合流すると意の一番に義妹のアリアに抱き着き彼女の匂いを嗅ぐ。
「はぁーー久しぶり嗅ぐとやっぱりあなたはいつもいい香りね?」
「お姉様も同じ香油を使っているでしょう?」
アリアを抱きしめアリアの匂いを嗅ぎ毎日頑張っているアリアをよしよしする。
生きていて良かった。
生まれて来て良かった。
まだアリアをよしよし出来る喜びを実感していると義妹のアリアはよしよしされながら問いかける。
「それで……話とはなんですか?」
「あぁ忘れてた実はね?」
義妹のアリアを実感出来る喜びで本来の用事を忘れてしまうもアリアの問いかけで我にかえり事の次第を説明した。
「やっぱりそんな事がありましたか……」
「手紙の中身は覚えている?」
「御前試合の前にこの廃教会でレオパルド様はリオベル様と落ち合い何か会話をしていたようです」
アリアの言葉に私は頷く。
やはりリオベルはレオパルド様と御前試合の前に会っていた。
「会話の内容はもう調べているんでしょ?」
「はい最愛の妻に隠し事なんてできる人ではありませんから……」
レオパルド様は愛妻家で知られている。
アリア曰くベッドの上では自分が主導権を握り何も隠し事が出来なくなると言っていた。
「なるほど……
レオパルド様は自身を後ろ盾にリオベル様に裏の社交界に出てほしいとの事だった
「リオベル様の力は仮面十二騎士に対抗できる力であるとも言っていました」
「でも
「そこで十二騎士の一角を決める御前試合の場を利用する訳です御前試合でレオパルド様がリオベル様を殺す様に見せリオベル様には死んだフリをして頂くんでしょう」
なるほどとアリアの話を聞き今日までの全ての話が繋がった。
ハイゼン様の
「わたくしはどうするつもりなのかしら?」
「私の義姉として王都に迎えるつもりでしょう……王都ではリオベル様と普通に暮らせるはずです」
「でもあの人がいなくなったと冗談でも聞きたくはありません……せめて私くらいには何か説明があっても良いはずです」
ハンカチを強く握り私は憤る。
すると義妹のアリアはフフッと笑みを溢した。
「こんなお姉様はじめてみました」
「えっ?」
「リオベル様の事を本当に慕っているのですね?」
私は頬を赤くする。
アリアに言われ気が付いた。
今日まで私が不機嫌だったのはリオベル様に隠し事をされたから一番好きな人に隠し事をされたからだ。
「しかしお姉様……仮面貴族は礼儀礼節がないぶん荒っぽいと伺っています秘密にしているのもお姉様を守るための行動ではないのですか?」
「じゃあアリアもしレオパルド様が死んで実は生きていました何て事をされたら許せますか?」
「それは……」
義妹のアリアは暫し考えた後に真顔で答える。
「許せません」
「でしょう私も一緒です」
どうなかしてリオベル様にこの憤りを返せないかと考える。
「確か……御前試合でリオベル様がいない事を利用して私たちを襲う計画があるのでしたね?」
「はい何人かの仮面貴族は襲撃のための準備をしているそうです」
アリアの返答を聞き私は閃いた。
そうして不敵な笑みを浮かべアリアに向かって語り掛ける。
「でしたらアリアが私たちを襲ってくれませんか?」
「えっ?」
私の言葉にアリアは驚き首を傾げた。
この数日後にリオベル様は王都に旅立ち御前試合の前日にウルフィン家の邸宅に火が放たれたのである。