俺達はルナとの待ち合わせ場所の噴水へと向かった。そこには既にルナが待っていた。ルナは俺を見つけると走って俺のところへやってきた。
「レオさん!こんにちは!えっと......横の方はどなたですか?」
ルナが興味津々で尋ねた。
「こいつは俺の友達のドングリだ、こいつもギルメンだから仲良くしてやってくれよ」
俺は軽くヨイチを紹介した。
「これからギルメンとしてよろしくな!ルナちゃん」
「はい!よろしくお願いします!」
「さて、早速ギルメン探しと行きたいところだがレオ、そろそろ俺の質問に答えてもらおうか」
ヨイチは俺に問い詰める形で言ってきた。
「ルナとも合流したし説明するよ」
「質問?一体なんのことですか?」
ルナは戸惑いの表情を見せていた。
「実はだな」
俺は真剣な表情で語り始めた。
「俺は特定の職業の仲間を集めたいんだ。その理由は......」
俺は以前、魔族と異種族が共存し、繁栄していた時代があったがある日の戦争を境に共存関係は崩れたこと、そしてその戦争はいつ再開するのかわからないこと、そして戦争の際に魔族側についてくれた職業がいてその職業の者を探しているついて二人に説明した。
「もしかして魔族になったプレイヤーってレオさんだったんですか?」
ルナが俺に聞いた。
「あぁ、騙して悪かったな。あの時はバレるわけにはいかなかったんだよ」
俺がルナに謝っているとヨイチは戸惑いを隠せない声で俺に言った。
「そんな設定俺は聞いたこともないぞ!戦争があったとか、共存していたとか......ほんとなんだな?」
ヨイチは少し落ち着き聞いてきた。
「ほんとだ。今ここで嘘をつく理由がないからな」
俺はヨイチに語った。
「はぁ......お前といると常に驚かされるよ」
「言っただろ?これからもっと驚かせてやるって」
笑顔を浮かべてヨイチに答えると、彼も苦笑いしながら頷いた。
「それなら、ただギルメンを増やすのではなく、信頼関係がある程度ある人を入れるべきだろうな」
ヨイチが提案した。
「それなら私の友達に、黒魔導士の人がいるんだけどどうですか?」
ルナが意欲的に提案した。
「黒魔導士……ルナの友達だしとりあえず会ってみよう」
俺が答えると、ルナは笑顔で答えた。
「ありがとうございます!ちょうど今ログインしているので呼んでみますね!」
ルナは黒魔導士をこの場所に呼んでくれるようだ。
「ちょっと待ってくださいね!すぐに来ると思うんで!」
しばらくして、ルナの友人である黒魔導士がやってきた。黒魔導士は黒いローブに身を包んでおり、そのローブは深い黒色で繊細な線で縁取られ、神秘的な光沢を放っていた。そして、左手には小さな宝石が埋め込まれたリングをしていた。そのリングは、静かな輝きを放ち、微かな光が宝石の内側を照らしていた。
「やっほールナ!急に呼び出してどうしたのって......ルナの側に男が二人!?」
黒魔導士が元気よくやってきた。
「落ち着いてよサナ!じゃなくてイザベラ!」
ルナはイザベラをなだめるように声をかける。
「ルナ!ゲームの中ではイザベラって呼んでってあれほど言ったのに!」
イザベラはルナに注意をした。
「ごめん!つい癖で......」
ルナが謝罪に続けて言う。
「急なんだけどイザベラ、私達のギルドに入ってくれない?」
「ギルド......?まさかその男二人のギルド!?ルナ、あんた騙されたりしてないよね?」
イザベラは心配しているようだ。
「大丈夫だから!この二人は良い人だからさ」
ルナがイザベラに自信満々に言った。そしてそれに続いて俺がイザベラに話しかける。
「はじめまして、イザベラさん。俺はレオンハルト、レオって呼んでくれ。でこっちは俺の友達のドングリだ。いきなりの勧誘で怪しいと思っただろうけど俺達のクランに入って欲しいんだ」
「......ルナから聞いてると思うけど私魔導士の中で一番人気のない黒魔導士よ?それでも大丈夫なの?」
俺はイザベラの質問に対して先程二人に説明したことと同じことを話した。
「なるほどね......わかった、ルナもいることだしギルド入るわ!」
「飲み込みが早いな!」
ヨイチがイザベラに驚くように言う。
「だってゲームの設定だし知らないことあっても普通でしょ?」
イザベラが何かおかしい
「まぁ......そうだけどさ」
「とりあえず!これからよろしくね、レオ、ドングリ!」
「あぁ!これからよろしくな!イザベラ!」
ーーシュバルツリベリオンにイザベラが加入しましたーー
「ネーミングセンスはいいとして......これからどうするの?」
「そうだな、実はギルドメンバーが四人になるとギルドクエストを受けれるようになるんだ。そろそろクエストを受注する準備をしてもいいかもしれないな」
ヨイチが提案をした。
「ギルドクエストって何をするんだ?」
俺が疑問をヨイチにぶつけた。
「お前はほんと何も知らないな、いいか?ギルドクエストってのは王都周辺で起こっている様々な問題に対処したり、冒険者同士の競争に参加したりすることができるんだ。それに、報酬としてギルド貢献度や経験値、稀にスキルや装備もゲットできるんだ!しかもギルド貢献度が高くなると王都から特別なクエストを受けれるようになるらしい!ギルドクエストは、ギルドメンバーが協力して解決するものだから、四人になると受けられるようになるんだ」
ヨイチが興奮気味で説明した。
「なるほど......やってみる価値はありそうだな」
俺は少し考えて言った。
「私も賛成です!」
「特別なクエスト......絶対報酬美味しいじゃん!」
ルナとイザベラも乗り気だった。
「ギルドクエストは冒険者ギルドで受けれるらしい。早速行こう!」
ヨイチはそう言うと冒険者ギルドへと走っていった。俺達はそれを追いかけるように走り出した。
「あいつ、レオンハルトと言ったか。マッドロードを一人で倒したのを見る限り相当な実力者とは思っていたが......ギルドを設立していたと話。あいつがマスターのギルド、追ってみるか」
何者の影がすぐそこまで迫っていた。