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第15話【魔界の訓練巡り:火山の頂での訓練 Ⅴ】

 ゾルガンは俺に向かって言った。


「感情を炎に変えるのには成功したみたいだな。だが、戦闘時においては、時間をかけて感情を炎に変える時間がない。つまり瞬時に感情を炎に変える能力が不可欠だ。次はその訓練を行う。瞬時に感情を炎に変えるため、感情を呼び起こす速さと正確さが必要だ。感情が高ぶった瞬間に、その感情を即座に炎に変える方法を見つけなければならない。これを俺はトリガーポイントと呼んでいる」


  俺はゾルガンの言葉を聞き疑問を持った。


「トリガーポイント......それを見つけるのか、でもどうやって?」



 ゾルガンは俺の疑問に快く応えてくれた。


「そのトリガーポイントを見つけるためには感情を呼び起こす練習を続ける必要がある。感情は心の奥底に眠っているものかもしれないが、感情をすぐに取り出す方法を見つけるんだ。それには自己観察が欠かせない。自分自身を知り、感情が高ぶった瞬間を見逃すことなく捉えることが重要だ。そして、その感情が高まった瞬間、瞬時に炎に変える練習を続け感情と炎の結びつきを確固たるものにする。感情の変化を感じ、それを瞬時に炎に変えることができれば、焔帝闘技を習得することができるだろう」


 俺はゾルガンの言葉を聞き、ますます感情をすぐに取り出す方法を見つけることに決めた。最初に試みたのは瞑想だった。心を落ち着かせ、深い呼吸をして自分自身に集中した。そして、自然のエネルギーが周囲に豊富に広がっていることに気づいた。洞窟の岩壁から微かに漏れる光、流れる水の音、そしてそこに住む生物たちの存在が、俺に力を与えるように感じられた。俺は深呼吸をしながら、自然のエネルギーを感じながら、感情を即座に引き起こす試みを始めた。すると、俺の心は急速に高まり、情熱と興奮が膨れ上がっていった。自然の力と共に、内なる感情を呼び覚まし、その力を炎に変える準備を整えていた。その興奮と情熱が俺の全身を駆け巡り、内なる炎を燃やし始めた。自然のエネルギーが俺の心を包み込むように感じられ、その力が俺を強く鼓舞した。瞑想の中で、俺は自分の内に眠る感情の源を見つけ出し、それを引き出すことができることを理解した。岩壁からの微かな光が俺の肌を撫で、流れる水の音が心を静める。洞窟の中に広がる自然の息吹は、俺に内なる力を与え、感情を自由に表現する勇気を与えてくれた。そして、その勇気が俺を前進させ、炎を操る技術を習得するための旅路に促した。瞑想の中で感じた感情の波が俺を包み込み、その中にある炎の力を促進させた。自然との調和の中で、俺の心は燃え盛る情熱と共に満たされた。


「これだ......」


  俺はすぐに感情を取り出す方法を見つけることに成功した。


「次はこの感情をすぐ炎に変えるのか......」


  瞬時に炎に変えれない限り焔帝闘技を習得することができない。俺は理解していた。


「感情と炎の結びつきを強く......か」


  俺の言葉を聞きゾルガンが言う。


「そうだ、炎のイメージを具体的に描き感情と結びつけるのだ」


 俺は心の中で炎のイメージを具体的に描き、感情が高まった瞬間、その感情を炎の形に変える練習を始めた。内なる情熱や興奮が俺の全身を駆け巡り、炎のように燃え上がる感覚が胸に広がった。その時、感情と炎が絶えず交流し、その結びつきが次第に強化されていくのを俺は感じていた。瞑想の中で、俺は自分の内に眠る感情の源を探し出し、その感情を具体的な形に変える方法を模索した。イメージを鮮明にし、感情が高まった瞬間に、その感情が炎となって俺の手の中に宿る様子を思い描いた。それはまるで、心の奥底から湧き上がる炎が俺の手を包み込むような感覚だった。その時俺はあることを思いついた。


「待てよ、つまり感情のエネルギーを強めると炎への結びつきが強くなり瞬時に変換できるのではないか......?」


 俺は試さずにはいられなかった。感情をより強調することで、感情のエネルギーを意図的に増幅させると俺の目論見通り炎との結びつきが強くなった。


「よし......いい感じだこのまま続けるぞ」


 俺は感情と炎との繋がりをさらに強めた。心の奥底から湧き上がる感情が、炎という形で俺の手の中に宿る様子を、ますます容易に想像することができるようになっていた。感情が高まると、その強力なエネルギーは炎と一つになり、俺の内なる力をさらに引き出す手助けとなっていたのだ。俺は自然との調和を取り入れながら、感情と炎の結びつきをさらに強化していった。洞窟の中に広がる自然の息吹が、俺に内なる力と炎の結びつきを深める助けとなっていた。その中で、感情から炎への変換がより自然に、そして容易になってきていた。自然との調和が俺の感情と炎を結びつけ、その力を促進させる一方で、俺は内なる自信と覚悟を強めていった。焔帝闘技の真髄を理解しようとし、その力を習得するための努力が、ますます効果を発揮し始めていた。これまでの経験が俺の成長と強さに繋がり、新たな挑戦への準備が整っていることを感じていた。


「よし、これで炎に瞬時に変換できるはずだ、やってみるか」


 すると瞬時に俺の拳に漆黒の炎が渦巻き始めた、成功だ。俺は瞬時に炎へと感情を変えることに成功した。その様子を見ていたゾルガンは驚きながら呟いた。


「まさかこんなにも早く......予想外だ......彼ならなら、もしかしたら......」


 続けてゾルガンが言った。


「よくやったハルト、まさかこんなにも早くできるとは思っていなかったがこれで焔帝闘技を教えることができる、早速始めるか?」


「もちろん、早速始めよう」


 俺は自分の成長に胸を躍らせていた。


「ここまでよく辿り着いた。これより焔帝闘技の訓練を始める!」


 ゾルガンは力強く宣言し、その言葉と共に大地が揺れ始めた。エネルギーの波紋が広がり、自然と一体となる瞬間が訪れた。 俺は決意を固め、焔帝闘技の新たな試練に向かう用意を整えた。


「よろしくお願いします!ゾルガン!」

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