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第9話【新たな仲間、新たな冒険】

 ーー数日後ーー



  ーークエストを達成しました。酒場で報酬を貰ってくださいーー


 クエスト達成を告げるシステムの声、これにもだいぶ慣れてきた。


「ふぅ、称号のせいでなかなかレベルが上がんないな、まぁそのおかげでステータスは同レベルとは比べものにならないけどな」


 俺は酒場に戻りクエスト報酬を貰った。俺は酒場の片隅に座り、一人でステータスを確認した。前のステータス確認いらいステータスは見ないようにしていたので自身の成長に興味津々だった。俺は自分のステータスを確認して驚きを隠せなかった。


 LV30

 HP: 330+50 MP: 335+50 ATK:164+50 DEF: 168+50 INT: 257+50 MDF: 138+50 AGI: 249+50 LUK:93+50


「LV30でこのステータス......!?普通の人の3倍近く時間はかかったけど同レベルのプレイヤーには絶対負けないなこれ......さすが称号だな、効果絶大だ。そうだ、LV20、30でもらった新しいスキルの確認もするか」


 スキル名: ダークマナクラッシュ

 MP-50 クールタイム: 30秒 持続時間: 15秒


 効果: 対象のMPを封じ、一定時間の間、スキルを使用できなくする。また、MPの回復も停止させる。


 スキル名: ダークプラズマ

 MP-70 クールタイム:65秒


 効果: 周囲に闇のプラズマを放ち、半径10メートル以内の敵に闇属性ダメージを与える。ダメージはINTに依存し、敵の距離に応じて減衰する(近距離ほど高ダメージ)


「どちらも強力なスキルだな、戦闘によく使えそうだな、さすが魔族だな」


 そんなことを呟いてると前から黒いローブを被った女性が話しかけてきた。


「あの......もしかしてあなたもネクロマンサーですか?」


 そう言ってきた彼女は小柄で可愛らしい容姿だった。彼女は黒いローブを身にまとい、そのローブは彼女を包み込んでいて、彼女の体の輪郭をほのかに浮かび上がらせている。


 彼女の目は深い黒色で、その内には知識と秘密が宿っているように輝いている。髪は黒髪で彼女の頭の輪郭にぴったりと沿っている。髪の毛は柔らかくてつややかで、彼女の外見からはその苦労と努力が感じられる。


「ネクロマンサー......?ネクロマンサーっていうとあのオデッサイト一難しい職業のネクロマンサーなのか君は!?」


「はい!ネクロマンサーってかっこいいじゃないですか!自分だけの軍団を作れて夢がありますよね!」


 彼女は笑顔でそう言った。


「残念ながら俺はネクロマンサーじゃなくて黒魔道士なんだ、初めて見たよネクロマンサーを職業にしてる人」


 俺は魔族という訳には行かなかったため俺は咄嗟によく黒いローブを羽織っている黒魔道士と名乗った。


「ネクロマンサーはスキルを得るまでが長くてそれまでは一人で狩りがなかなかできないんですよ。それで手伝ってもらおうとしたらPKプレイヤーで......」


 彼女は悲しそうに呟いた。ネクロマンサーは職業柄スキルを獲得するのが遅く、序盤は足でまといになるためあまり好まれない職業なのだ。そしてスキルを持たないネクロマンサー達はPKプレイヤー達の標的になることも多かった。それが原因でネクロマンサーを職業にしてる人はさらに減っている。俺は似た境遇の彼女を見てつい助けてあげたいと思った。


「それなら俺と一緒に狩りにいくか?俺も前はPKプレイヤーによくキルされてたんだよ。俺も初心者だけどネクロマンサーとは相性が良いからなんとかなると思うよ?」


 俺はネクロマンサーのスキルが手に入る、それまでの手伝いになればという気持ちで一緒に狩りをしないかと提案した。


「ほんとですか!? あ、でもちょっと怖いです。あなたがPKプレイヤーかもと思ってしまって。すいません」


 彼女は怯えていた。それもそのはずだ。昔一緒に狩りをした人がPKプレイヤーだったのだから、彼女にとってそれは相当なトラウマなのだろう。


「それならこれを見てよ!これで信じれるかな?」


  俺は無罪のペンダントを見せた。これはつい先日のアップデートで追加されたPKプレイヤーではないプレイヤーが持っているものだ。


「このペンダント......一緒にクエストに行ってください!お願いします!」


 彼女は俺の手を握って一緒に行ってくれるよう頼んでくれた。


「もちろんだよ!俺の名前はレオナルド、レオって呼んで!」


 俺は彼女の手を握り返した。そして名前を名乗った。


「私の名前はルナです!これからよろしくお願いしますレオさん!」


 ルナも自己紹介してくれた。そして俺たちは一緒に狩りに行くことになった。


 俺はルナとの出会いが、俺にとって非常に特別で重要なものであるのをまだ知らなかった。彼女が俺のことを信用して一緒に冒険をすることに同意してくれたことは、俺にとって大きな意味を持っていた。これまでの孤独な旅路に、仲間としての新たな可能性が現れた瞬間だった。ルナとの絆が、今後の俺の冒険にどんな影響をもたらすのか、まだわからない......

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