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45通目 失敗をかばってくれた上司に宛てて

課長へ


これは、課長に宛てました、私的な手紙になります。

いつもお世話になっている課長に宛てて、

感謝を伝えたいと思い、手紙を差し上げます。

社内恋愛や、ハラスメントなどではありません。

ただ、課長にお礼を述べたいだけの手紙になります。

いまいち仕事の出来の悪い私ではありますが、

課長のサポートがあって、今ここで仕事をがんばれています。

課長だけでなく、皆様のサポートがあってかもしれませんが、

課長がそれとなく皆様に根回しをされていたことを、

私は伝え聞いております。

私だけでなく、チームとして頑張れるように、

みんなで助け合うことが大事であると、

課長自ら助け合うことの模範を示していらっしゃいました。

課長が先頭に立つことでどれだけ心強かったか、

課長が裏をしっかり支えたことで、

どれだけ安心できたか。

言葉にすると安っぽくなってしまいますが、

課長がこの課を包むことで、

この課の社員の能力は何倍も上がっていたと思います。

モチベーションもそうですし、

足の引っ張り合いもなく、

余計なストレスもありません。

それは課長の管理能力の高さでもあります。

この課をまとめてくださり、ありがとうございます。


私はこの課に配属されて間もなく、

大きな失敗をしました。

私一人では取り返しのつかない失敗です。

私は青ざめ、どうしたらこの失敗の弁償ができるだろうかと、

クビになるだろうとか、

損害賠償を一生払うだろうかとか、

そんなことを考えていました。

思い詰めて、死んで生命保険を使えば払えるだろうかまで考えました。

失敗したその時は、まともな思考をしていませんでした。

私はその失敗で人生が終わったと思っていました。

青ざめてどう報告したらいいかを考えている私に、

課長は声をかけてくれました。

最初は、顔色が悪いという言葉でした。

私は無理に笑おうとしました。

どうしたら失敗を何とか出来るか、そのことばかり考えていたので、

虚ろなやり取りになりました。

私はそのとき自分のことでいっぱいいっぱいでしたので、

課長が私の仕事を聞かないことに気が付きませんでした。

今ならばわかります。

課長は私の顔色や言葉のやり取りから、

私が大変な失敗をしたことを察したのでしょう。

私が思い詰めていることも、わかったのでしょう。

課長は一言、心配しなくていいと言ってくれました。

当時の私は何のことか全くわかりませんでした。

私は仕事の大きな失敗を報告していません。

取り返しがつかないけれど、

私が何とかしないといけないと、

そればかり考えていましたので、

課長が心配しなくていいなんて、なぜだろうかと。

私は一瞬疑問に思いましたが、

心配しなくていいという課長の言葉は、

私の思い詰めた思考を少し楽にしてくれました。


私はそのあと、課長への失敗の報告をしに行きました。

課に配属されて間もなくの、その頃の課長のイメージは、

厳しい人というイメージでした。

無口で人を褒めることのない、

いつも怖い顔をしている人というイメージでした。

私は、どれほど怒鳴られるだろうかと覚悟して課長に報告しました。

課長は私の報告を邪魔することなく聞いて、

怒鳴ることもなく、ひとつうなずきました。

課長は、書類を私に渡してくれました。

それは、私のしでかした失敗を、

きれいに帳消しにするような書類でした。

この書類に書かれていることが実現をすれば、

私の失敗はしっかり帳消しになって、

なおかつ損害はなく、むしろプラスになります。

課長は怖い顔のままでしたが、

よく報告してくれたと言ってくれました。

部下のしりぬぐいは上司の務めだ、だから気にするな。

課長はそれだけ言ってくれました。


あとでいろいろな人から聞きましたが、

私が大きな失敗をしてから、

課長はあらゆる手を尽くして、私の失敗を何とかしようとしてくれたようでした。

損害を与えそうなところには課長が謝罪を入れて、

決して私を矢面には立たせませんでした。

上司である私の責任だと聞きました。

さらに上の上司にも課長が頭を下げられたと聞きました。

課長はとにかく私をかばってくれました。

かばったうえで、私には心配するなと言われました。

最高の上司であると私は思います。

その節はご迷惑をおかけしました。

課長のおかげで今でも私はここで仕事ができます。

毎日仕事にやりがいがあります。

課長のおかげです。

ありがとうございます。


ここでしばらく仕事を続けていて、

同僚の皆さんからも課長のお話が聞けます。

怖い顔をなされていますが、

その顔の下では、みんなのことをいつも思いやっているのだと。

人知れず皆を助けているのだと。

同僚の皆さんが言われます。

私も助けてもらったので、よくわかります。

課長の行動には、

課の皆さんへの愛があり、

取引先への愛があり、

会社をよくしようという愛があり、

全てを丸くおさめようとする愛があります。

課長のその愛が、この課を包み、

私たちはのびのびと仕事ができます。

私にも後輩ができて、後輩もたまに失敗をします。

あの時の私のように、世界の終わりのような顔をしています。

あの時の課長のように、心配しなくていいと、私も言います。

課長ほど有能ではありませんが、

私も後輩を安心させるべく、

頭を下げて回ったこともあります。

それでも、最後に責任をとってくれるのは課長でした。

この課をまとめているのは、やはり伊達ではないのだなと感じます。


会社というものは、

大きな組織ではあるかもしれませんが、

上司がしっかり上司としてあり続けてくれることが、

私たちの安心になります。

いつもこの課をまとめてくださり、ありがとうございます。

これからも、この会社への愛を持ち、

この課の皆様への愛を持ち、

課長への深い敬愛を持って仕事に励んでいきます。

課長もお身体には気を付けられて、

休めるときはお休みになられてください。

課長が休まれる時には、私たちが何とかします。

ですから、たまにはしっかり休まれてください。


いつもありがとうございます。

書き切れなかったたくさんの感謝も乗せて、

この手紙を締めさせていただきます。

読んでくださりありがとうございました。


理想の上司を持ったとある社員より

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