我が家の天使の猫ちゃんへ

猫が文字を読めないと誰が決めた、というわけで、

私は我が家の天使である猫ちゃんにお手紙を書きます。

もしかしたら私の文字が下手過ぎて読めない可能性もあるので、

猫ちゃんがリラックスしているときに、読み上げようかと思います。

愛は伝えなくちゃ、結局伝わらない。

秘めたる愛は、秘めたまんまになっちゃう。

だから、バシバシ猫ちゃんに愛を伝えないとね。

この愛が伝わらなかったら、とっても悲しいからね。

猫ちゃんとの出会いは偶然で必然。

私が帰り路を歩いているときに、

か細い猫ちゃんの声がして、

気のせいにしては、ものすごく気になったので、

あたりの茂みを探し回って、

弱った猫ちゃんを探し当てた。

その時の衝撃をまだ覚えています。

こんなに完全な生き物がいる、

すべてが完全な美を宿している可愛い生き物が、

フルフル震えて弱っている。

私の方を見て、思いっきり鳴き声を上げるけれど、

それすら弱々しくて、

私が何とかしなくてはという義務感を持った。

この美しい生き物は、私が何とかしてあげないといけない。

この子は助けを待っていたんだ。

そう思って、弱った猫ちゃんを抱きかかえたら、

重さが全くなくて、天から舞い降りたのかなと思った。

完璧な可愛らしさだし、とても軽いし、

天使は猫の姿を取るものと瞬時に理解しました。

猫ちゃんは帰り道からのその足で動物病院へ。

病気などの検査があったり、

弱っていたら療養が必要らしい。

動物病院の先生から、

あの猫ちゃんを飼うおつもりですかと問われた。

命を預かるということは、大事なことです。

飽きたら捨てるは許されませんと。

私の中で、飼うという言葉の他に、別の言葉が出てきていて、

ちょっと理解するのが遅れたけれど、

私は、この天使の猫ちゃんと、ずっとともに生きると、もうその時には決意していました。

何もかもから守ってあげる。

愛されることしか知らない猫ちゃんでいてほしい。

寒さで凍えることもなく、

飢えで弱ることもなく、

幸せしか知らない猫ちゃんにしようと決めていました。

そのことをマシンガントークで動物病院の先生にまくしたてたら、

私の決意がよく伝わったらしく、

猫の飼い方などの冊子をもらって、

天使の猫ちゃんは検査のために入院。

その間に私は自宅を猫ちゃん仕様にすると決めました。

翌日、ペットショップで、

猫を飼うのに必要なものを何もかもそろえました。

天使様をお迎えするのだから、

最高の環境でなくちゃいけない、くらいの気持ちでした。

ありとあらゆるものをそろえて、

自宅は古い一軒家。

猫ちゃんが広々遊べる部屋を作ります。

家から出ては車に轢かれてしまいます。

猫ちゃんが入院検査中に、

大急ぎで自宅のリフォームを仕上げました。

愛があれば何とか自分でできてしまいます。

すべては天使をお迎えするためです。

猫ちゃんは病気も持病もなく、

ちょっと弱っているだけで、

入院していたら、すぐに元気になったようなので、

検査の結果が出たら、すぐにお迎えに行きました。

家への帰り道には、

猫用キャリーケースに入った天使の猫ちゃん。

これほど浮かれた帰り道を知りません。

家でキャリーケースを開けて、

猫ちゃんを家にお迎えします。

最初こそ警戒をしていましたが、

家の中を走りだしたのを見て、

ああ、この家に天使が舞い降りてくれたと思いました。

隠れるところやフカフカのところ、

一通り走り回った後、

私のもとにやってきて、足元にすりすりと頭をこすります。

天使からの祝福です。

この瞬間、私は一生分の愛を手に入れました。

天使の猫ちゃんは、体質なのか、あまり大きくなりません。

今でも抱っこをすると、羽根のように軽いです。

天使の猫ちゃんが来てから、

私の生活は鮮やかに色づき始めました。

生きるすべてがきらきらとしていて、

天使の猫ちゃんはその中でもとりわけ美しく輝いています。

あの時の出会いが、私を幸せにしてくれました。

天使の猫ちゃんも幸せになっていてくれたらいいなといつも思います。

天使の言葉はわかりませんが、

にゃあというとき、喉をゴロゴロ鳴らすとき、

あくびをするとき、毛づくろいをするとき、

ご飯を食べるとき、眠るとき、

そのすべての行動が、幸せを表現している芸術品のようです。

いつまでも、猫ちゃんを幸せにすると誓います。

それが私の義務であり、幸せです。

ずっと一緒に、幸せに生きていこうね。

世界で一番かわいくて美しい天使の猫ちゃん。

大好き。愛してる。

どんな言葉でも語りつくせないほど、

なによりも愛しています。

この手紙にたくさんの愛をこめて。

この愛が伝わることを信じて。

猫ちゃんを幸せにしたい同居人より