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6通目 聖職者から罪人に宛てて

あなたへ


勇気ある罪の告白を読ませていただきました。

これほどの罪をちゃんと告白できたことは、素晴らしいことです。

これまでよく耐えられましたね。

さぞかし苦しかっただろうと思います。

おそらく、かなりの罪悪感に苦しめられたと思います。

罪の告白からもそれが読み取れました。

あなたはずっと罪を抱えて苦しまれてきました。

司法も裁けないくらい、ずっと一人で抱え込まれてきました。

あなたは長い年月、罰を受けてきました。

誰にも何も告白できないという罰です。

その罰も、私に罪の告白をしたことで終わります。

よく告白してくださいました。


私は一介の聖職者です。

とりあえず、神や仏につかえているもの、とでも思ってください。

大雑把な感覚で構いません。

神も仏も、人を救うとされています。

では、救うとは何だろうかという問題になりますね。

私個人が思うに、話すことをすべて聞くことだと思います。

どんな存在の話も、すべて聞きこぼしなく聞くこと。

それが救いであると私は思います。

例えば、寄付が多いものの話は聞くけれど、

貧しいものの話を聞かないのは、

神や仏としてそれはどうなんだとなりましょう。

救ってほしいからこれを捧げます、

いいものを捧げますから私の方を先に救ってくださいと言うのも、

これもまた、神や仏の救いとは違いましょう。

どんな存在の話も聞くこと、

嘆きかもしれませんし、怒りかもしれませんし、喜びかもしれません。

どの声もしっかり聞き届けること。

それが救いであると私は思います。

あなたの告白は、告白の手紙を通して、

大きな存在へと届きました。

あなたの声は、ちゃんと届きました。

あなたの信じる宗教がどんなものかはわかりませんし、

聖職者の私の宗派とも違うかもしれません。

ただ、あなたよりももっと大きな存在のもとに、

あなたの告白は確実に届きました。

あなたの罪は大きな存在の大きな愛のもとに届いて、そして、許されます。

あなたはそれだけ苦しんできました。

あなたの重荷は降ろしましょう。

あなたよりももっと大きな存在が、

あなたを苦しめてきた重荷を降ろしてくれましょう。

もういいのです。

あなたは救われていいのです。

あなたの信じる神や仏、何でもいいのですが、

どんなものを信じていたとしましても、

そのすべてがあなたを許しましょう。

私がそれを代弁いたします。

あなたの罰は終わります。

償いは、もう十分すぎるほどです。


あなたの言葉は、大きな存在に届きました。

そして、大きな存在は、あなたを確実に許します。

それは、人のそれを越えた大きな愛です。

あなたのすべてを、愛が包んでくれるでしょう。

今までおつらい思いをして、愛などを信じられなかったかもしれません。

抱え込んだ罪が大きすぎて、何も信じられなかったかもしれません。

誰にも何も言えずに、苦しまれてきたかもしれません。

そのすべての苦しみを、大きな存在の愛が包みましょう。

今すぐすべての苦しみがなくなるわけではないかもしれませんが、

あなたの抱えてきた苦しみは、大きな存在が、取り除いてくれます。

あなたは人に裁かれることはないかもしれません。

永遠に罪に問われることはないかもしれません。

罪に問われることがない故に、

正しい罰を受けられなかったと思われ続けていたかもしれません。

あなたは、人からの罰は受けませんでしたが、

ご自身で罰を与え続けました。

それはもう過剰なほどに。

大きな愛は、その罪も罰も包みましょう。

これまでよく生きられました。

よく耐えられました。

そして、よく告白なされました。

あなたは永遠に許されます。


最後になりますが、

あなたは罪人かもしれません、咎人かもしれません。

しかし、苦しみを越えてきたあなたは、

我々聖職者と同じ位かそれ以上に、

聖なるものへと近づいております。

どうか残りの人生を、笑顔で過ごされてください。

あなたの幸せを、祈っております。

大きな愛はいつでもあなたの隣にあります。

確かに。


とある聖職者より

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