大変大変。遅刻をしちゃうよ。
遅刻をしたら切符が切られるよ。
遅刻切符なんだ。
遅刻切符は住所とかが書いてある切符なんだ。
遅刻切符は罰則なんだ。
でも、住所とかがわからない人は、
ありとあらゆる手段で住所を割り出して、
遅刻切符を作らないといけないんだ。
遅刻切符を作るために、
最寄のコーヒー屋にまで連絡がいったよ。
大事なものなんだ、遅刻切符は。
会社にだってあるし、学校にもあるよ。
時間を守るためにある罰則だよ。
時間を守らないといけない。
そういう規則のもとに作られたものだよ。
遅刻切符をたくさん切られるとね、
信頼というものが、どんどん落ちていくんだ。
信頼は遅刻切符と違って形になっているものじゃない。
でも、表にはすごくはっきりとあらわれる。
形ないのに形があるって不思議だけど、
信頼というものは、すごくはっきりとあらわれる。
それは遅刻切符のほかの罰則切符でも現れることだけど、
時間を守るための遅刻切符は、
一番信頼に響く。
だからみんな切符を切られるのを怖がる。
遅刻切符はそれだけ大事で重いものさ。
時間は無限にあるように思われているかもしれない。
でも、割り当てられている時間は有限だ。
限りある時間を無為に使うことがないよう、
教育として、また、法として、
遅刻は厳罰なんだ。
だから遅刻切符はいつだってみんな持ってる。
名前、時間、住所、生年月日。
そして、生まれてからの遅刻の回数。
信頼をどれだけ減らしてきたかの回数。
かたちなき心をどれだけ踏みにじってきたかの回数。
だから遅刻が許されることはないんだ。
どれだけ時間を守っても、
遅刻が許されることはないんだ。
大変大変。遅刻をしちゃうよ。
君も遅刻切符を持っているかい?