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第47話 しあわせ

知った顔なんて出来ない。

幸せを知っているとは思えない。

でも、確実に幸せを感じたことはある。

それはとても幸福なことかもしれない。


たとえばお布団が気持ちいいこと。

たとえば植物が元気なこと。

たとえば何かをやり遂げたこと。

小さなことでいい。

それを感じられることが幸せかもしれない。


誰かの笑顔を思い描いて、

胸の内側にあたたかいものが満ちるような感覚。

ふわりとした感情。

羽のような感情なのに、

それは心をとらえて離さない。


幸せを全部知っているわけじゃないと思う。

それぞれの人の幸せを分析したり、

仕組みまでわかるとは思えない。

中にはわかる人もいるかもしれないけど、

私にはわからない。

だから、幸せかもしれないこと、

そういうことを大事にしてみている。

見当違いかもしれない。

的外れかもしれない。

けれど、後生大事に幸せのもとを抱えている感じ。

滑稽かもしれない。


お日様が金色できれい。

小さな幸せを積み重ねていって、

どこに行くのかはわからない。

大きな幸せに化けることもないかもしれない。

それでもいいんだ。


感じる限りの幸せを、

大事にしたいんだと思った。

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