一雨ごとに季節はかわり、
風は雲を運んでいく。
誰のためでもないのに花は咲き、
誰のためでもなく花は散る。
花が美しいのは、
多分無垢だから。
欲がなく、ただ、咲くために生きている。
だからきっと花は美しい。
それは誰のためでもなく。
それは花の意識ですらなく。
花は咲く。
当たり前のように。
花は散る。
当たり前のように。
それは、雨がなぜ降るかと同じこと。
雨は誰のために降っているわけでもない。
流れがそうであるように、雨は降る。
風が吹いて、季節がかわる。
当たり前のような、順番。
誰のためでもなく。
ただあるがため。
ちっぽけな花は、大輪の花と同じように、
無垢で無邪気で無頓着だ。
風に吹かれて、微笑むように花は咲いている。
いつも微笑んでいれば、
花の気持ちがわかるかもしれない。
いるだけでいい。花はいるだけでいい。
そこに気持ちに行きつけたら、きっと心から笑えるだろう。
そんな気がする。