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第30話 カプセル

僕はカプセルの中にいる。


どこかの怪しい町で手に入れたカプセル。

どんな人から買ったのかなんて、覚えていない。

僕はカプセルを砂場に浮かべて、

カプセルの中に入る。


砂場の上は夜。

夜の中をカプセルが浮かんでいる。

動力?

そんなものない。

ただカプセルが浮かんでいる。


僕はカプセルの中で座った。

どうなってしまうのだろう。

開けようと思ったら開けられた。

それでも僕は閉めてしまう。

この中はとても居心地がいい。


タイムマシン、潜水艦、

さなぎ、まゆ、胎内。

狭いようで、とても居心地のいい場所。

カプセルの中に僕は満ちて、

濃くなった妄想で満たして、

僕は妄想を呼吸する。


どこかへとつながった感覚。

誰かとつながった感覚。


君もカプセルの中にいますか?

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