きれいな目には、きれいなものを、うつしたいよね。
だから君に万華鏡。
飽かずながめていると、良かったなって思う。
なかなか海にも山にも連れて行けないし、
美術館にも遊びにも連れて行けない。
少しでもきれいなものを。
思いついたのが万華鏡だった。
君の目はとてもきれい。
吸い込まれるような闇。
そして、きらきらと光を宿している。
渇きを知らぬ泉のように、
そのきれいな目は、好奇心を映し出している。
鏡で出来た、小さな空間に、
きらきら光るいくつもの模様。
鏡鏡、どこを見ても鏡の筒の中。
鏡に君を閉じ込めたみたい。
どこまで行っても不思議な模様。
どこまで行っても、美しい目。
万華鏡ばかり覗いていたから、
少し万華鏡に嫉妬した。
こっちむいてよ。
そんなことを思ったら、
君は万華鏡を外して、にっこり笑った。
鏡に閉じ込めたいほど、
やっぱり君はきれいだ。