目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
第26話 夜の子ども

おやすみ。おやすみ。おやすみなさい。

真夜中の中のその部屋で。

おやすみ。おやすみ。おやすみなさい。

子どもが夜中に動き出す。


ベッドを飛び出して、

オレンジのキャンディーを食べようよ。

星のかけらは、あまるほど降ってくるし、

ミルキーウェイは、ざばざば音を立てている。


真っ暗な山の遠くに見える、

真っ暗の中にきらきら光る、

きらきら輝く美しい海。

さざなみの一つ一つに星が降りて来る。

ミルキーウェイより美しく、

波打ち際を走ろうよ。


星が降る降る星が降る。

星のかけらがあちこちに。

真っ暗な山が輝きだす。

頂にひときわ輝くダイヤモンド。

遠くからだって見えるよ。


海の向こうでイルカが飛ぶ。

その滑らかな曲線に、星がすべる。

雫は新たな輝きとなり、

海に落ちてはきらきら浮かぶ。


さあ、遠くに行こう。

おもちゃ車なら動かせる。

乗っていこうよ夜のかなたへ。

君は夜の子ども。

夢はまだまだ終わらないよ。


おやすみ。おやすみ。おやすみなさい。

夜がまだまだ終わらないなら。

おやすみ。おやすみ。おやすみなさい。

せめて今だけ美しい夢を。


やがて太陽が昇っても、

心に小さな輝きを。


おはよう。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?