僕は、ほしのかけらを持っている。
ずっとずっとむかし。
僕が小さかった頃。
この星は青いとはじめて知った。
どうして青いんだろう。
空が青いから青いんだろうか。
夜になれば空は黒くなるのに、
どうしてこの星は青いんだろう。
不思議なことがいくつも湧き出して、
どうしてどうして、
なんでなんで、
そんなことを繰り返していた頃。
「ほしのかけらをあげるよ」
そんなことを言ったのは、
誰だっただろうか。
昔のことだと記憶しているのに、
声の主の姿がわからない。
「この星は青いんだ」
僕はその言葉に、
深くうなずいたのを覚えている。
「青いかけらだよ。このほしのかけらさ」
ひやりとしたものを手に握らされた。
恐る恐る見れば、
僕の小さな手に、
青いかけら。
僕はそのかけらをじっと見ていた。
このほしのかけら。
ああ、だからこのほしは青く輝いている。
幼い僕は僕なりに納得した。
ほしのかけらを持たせた、
その人物のことは、よく覚えていない。
それでもきっといた。
ここに、ほしのかけらがあるから。
青い青いほし。そのかけら。
僕の手の中に、
美しい星。