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第8話 メリーさんは羊

どこかに、メリーさんという羊がいました。

メリーさんは、草をもぐもぐしたり、

もこもこの毛を刈り取ってもらうのが好きでした。


ある日、その世界に魔王が出てきました。

魔王は平和なメリーさんが気に入らなかったので、

メリーさんを人間にしました。


メリーさんは、草をもぐもぐ出来なくなったり、

もこもこの毛を刈り取ってもらえなくなったので、

魔王のところに行って、

羊に戻してと、頼もうと思いました。


途中で、小さな人間を見つけました。

小さな人間は、イブシギン君で、

ハムスターとして平和に暮らしているのを、

魔王に人間にされてしまったのです。

イブシギン君は、メリーさんと一緒に、

魔王のところにお願いに行くことにしました。


とことこ歩くと、

きれいな人間が嘆いていました。

きれいな人間は、ミドリさんで、

カワセミとして平和に暮らしているのを、

魔王に人間にされてしまったのです。

ミドリさんは、メリーさんと一緒に、

魔王のところにお願いに行くことにしました。


さらに歩くと、

怖そうな人間がいました。

メリーさんは、魔王より怖いと思いましたが、

怖そうな人間は、ウルフさんで、

オオカミとしてその日暮らししているところを、

魔王に人間にされてしまったのです。

ウルフさんは、メリーさんを気に入って、

とりあえずついて行くことにしました。


人間にして4人で、

魔王の住むお城にやってきました。

魔王は一人ぼっちで、大きなお城に住んでいました。

「私を倒せば元に戻る」

と、魔王は言いました。

でも、メリーさんは、もともと羊のただの人間ですし、

それに、魔王さんが一人ぼっちなのが、悲しくなりました。


「一緒に住んでもいい?」

メリーさんが提案しました。


魔王はみんなと一緒に、

世界を平和なままほっといて、

お城で暮らしましたとさ。


めでたしらしい。

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