どこかに、メリーさんという羊がいました。
メリーさんは、草をもぐもぐしたり、
もこもこの毛を刈り取ってもらうのが好きでした。
ある日、その世界に魔王が出てきました。
魔王は平和なメリーさんが気に入らなかったので、
メリーさんを人間にしました。
メリーさんは、草をもぐもぐ出来なくなったり、
もこもこの毛を刈り取ってもらえなくなったので、
魔王のところに行って、
羊に戻してと、頼もうと思いました。
途中で、小さな人間を見つけました。
小さな人間は、イブシギン君で、
ハムスターとして平和に暮らしているのを、
魔王に人間にされてしまったのです。
イブシギン君は、メリーさんと一緒に、
魔王のところにお願いに行くことにしました。
とことこ歩くと、
きれいな人間が嘆いていました。
きれいな人間は、ミドリさんで、
カワセミとして平和に暮らしているのを、
魔王に人間にされてしまったのです。
ミドリさんは、メリーさんと一緒に、
魔王のところにお願いに行くことにしました。
さらに歩くと、
怖そうな人間がいました。
メリーさんは、魔王より怖いと思いましたが、
怖そうな人間は、ウルフさんで、
オオカミとしてその日暮らししているところを、
魔王に人間にされてしまったのです。
ウルフさんは、メリーさんを気に入って、
とりあえずついて行くことにしました。
人間にして4人で、
魔王の住むお城にやってきました。
魔王は一人ぼっちで、大きなお城に住んでいました。
「私を倒せば元に戻る」
と、魔王は言いました。
でも、メリーさんは、もともと羊のただの人間ですし、
それに、魔王さんが一人ぼっちなのが、悲しくなりました。
「一緒に住んでもいい?」
メリーさんが提案しました。
魔王はみんなと一緒に、
世界を平和なままほっといて、
お城で暮らしましたとさ。
めでたしらしい。