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七海トモマルの実験的短編集
七海トモマル
文芸・その他ショートショート
2024年09月30日
公開日
30,099文字
連載中
詩のような物語のような実験的なショートショートです。
気の向くままに書いていきます。
読者様の気に入って物語があったならば幸いです。

世界は無限に広がっています。
物語の世界もまた、無限で自由です。

第1話 夢路より

夢の中の風景。

夢の中は脳内の、

記憶や経験から成り立っているとすれば、

これは何をあらわしているのだろう。

夢でそれに出会うたびに思う。


それは、カタカナの「コ」の左端を地面に突き立てたようなオブジェ。

アーチのようにも見える。

それが、人里はなれたところ、

遠くにポツリポツリと並んでいる。

並んでいる、距離は規則性を持っているようだ。

遠くにそれが見える。

近くに行けば、そのアーチはもっとはっきり、大きく見えるのであろう。

距離から推測するに、そのアーチはとても大きなもののようだ。


それは灰色。

白に近い。

影の部分は灰色。


私は夢の中で遠出をするとき、

決まってそのアーチの群れを遠くに見る。

遠くに見ながら、

私は夢の中で遠出をする。

その群れを、いつか、夢の中で絵にしたこともある。

その無機質な群れ以外は、

やけに有機質な神社や、人物が描かれていたと記憶する。


「あそこには高速道路がかかるんだ」


夢の中の私は何の根拠があってか、そう思った。

いつかそのオブジェの上には高速道路がかかる。

そう思ったようだ。


高速道路がかかると、どうなるのだろうか?

私はもっと夢の遠くにいけるのだろうか?


眠ってみる夢。

脳内が構築するらしい情報。

高速道路は、まだ、かからないようだ。

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