夢の中の風景。
夢の中は脳内の、
記憶や経験から成り立っているとすれば、
これは何をあらわしているのだろう。
夢でそれに出会うたびに思う。
それは、カタカナの「コ」の左端を地面に突き立てたようなオブジェ。
アーチのようにも見える。
それが、人里はなれたところ、
遠くにポツリポツリと並んでいる。
並んでいる、距離は規則性を持っているようだ。
遠くにそれが見える。
近くに行けば、そのアーチはもっとはっきり、大きく見えるのであろう。
距離から推測するに、そのアーチはとても大きなもののようだ。
それは灰色。
白に近い。
影の部分は灰色。
私は夢の中で遠出をするとき、
決まってそのアーチの群れを遠くに見る。
遠くに見ながら、
私は夢の中で遠出をする。
その群れを、いつか、夢の中で絵にしたこともある。
その無機質な群れ以外は、
やけに有機質な神社や、人物が描かれていたと記憶する。
「あそこには高速道路がかかるんだ」
夢の中の私は何の根拠があってか、そう思った。
いつかそのオブジェの上には高速道路がかかる。
そう思ったようだ。
高速道路がかかると、どうなるのだろうか?
私はもっと夢の遠くにいけるのだろうか?
眠ってみる夢。
脳内が構築するらしい情報。
高速道路は、まだ、かからないようだ。