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第二十二話

翌日。


いつも通りのルーチンをこなし、『Abyss Gate Online 』にログインする。


「おはようございますわ!」

モンブランは最速でいつも挨拶をくれる。


「おはよ」

あまねは素っ気ないが、素っ気ないだけで挨拶は絶対に送ってくる。


「「おはー!」」

ミルとメルはいつもコンマ1秒のズレもないのがほんとすごい。


「おはっ!おはっ!」

蒼月は適当に挨拶を返してUIの右上にある手紙マークがピコンピコンと光っていることに気付く。


「運営から?」

手紙マークをタッチすると運営からのお知らせが開く。


イベント開催!


Abyss Gate Online をプレイしていただきありがとうございます。

一週間後に初イベントを開催したいと思いますので、皆様奮ってご参加ください。


イベント内容は参加者全員によるバトルロイヤルです。

ルールなどは別途詳細ページを作成しておりますので、そちらをご確認いただければと存じます。


「バトルロイヤルかー!めちゃくちゃ楽しそうじゃん!」

UIを操作してイベントの詳細ページを開く。


・超能力と銃を駆使して戦い、最後まで残ったものが優勝。

・1回戦は各ブロックにランダムに割り振られ、2回戦は各ブロックの上位30名が戦う。(1回戦は参加人数によってブロック数が変動します)

・イベントエリアに入った際に装着しているもの全て使用可能だが、アイテム欄はイベントエリアに入ると一旦空になりイベント終了後返却される。

・弾薬と回復丸薬については初めから少し配られているが、潤沢に配られているわけではない。

・イベントエリア内の様々な場所に弾薬と回復丸薬を置いてあるので、それを拾うと自分のアイテムとして使用可能。

また、倒した人が持っていた弾薬や回復丸薬は回収することができ、自分のアイテムとして使用可能。

・イベント時間は1時間程度を予定しておりますが、イベントエリアではイベント終了まで時間加速機能を使用し行います。


イベント詳細ページをじっくりと見てから閉じる。

「なるほどなぁ、あとはマップがどうなるかによって戦い方とか変わりそうだな。けど、これならやることは変わらずレベル上げだな!」


UIを触っているついでにフレンドにチャットを送る。

「みんな、イベントには参加する感じ?」


「「僕達は出ないよー」」

ミルとメルは出ないようだ。

二人はどちらかといえば生産職に分類される。

確かに二人のコンビネーションは凄かったけどバトルロイヤルだとあまり光るようには思えない。


「出る」

あまねは出るの確定っぽい。


「まだ悩んでますの」

お嬢はあんまり戦闘とか興味なさそうだし確かに微妙か


「そっか!もしも現地で会ったらお手柔らかにな!」

蒼月はみんなに返事をして、お嬢宛の個別チャットに切り替える。


「お嬢はやっぱり戦闘とか興味ないか?」


「まだ悩んでますの。ワタクシはまだ蒼月様に言われた戦闘スタイルを確立出来ていないので」

以前蒼月が教えた戦闘スタイル。

話した時は机上の空論であったが、昨日出来ることは確認した。


「ふむ、なら一緒に狩り行くか?レベ上げなら手伝えるぜ」


「いいのですか!?」

モンブランは嬉しそうに大声を出す。


モンブランの突然の大声に驚いたがすぐに自分を取り戻す。

「おう!どうせ俺もレベル上げしか今は出来そうにないし。一緒に狩ろうぜ!」


「では、蒼月様のお言葉に甘えて。どこに向かえばよろしいでしょうか?」


「なら、北門で待ち合わせで!」


「わかりましたわ!」

モンブランの返事を見てから、蒼月は北門まで移動してモンブランを待つ。

モンブランはわざわざ走ってくれたようで、数分待つだけで合流できた。

合流後、二、三言交わして二魂坊にこんぼうの狩場へ向かう。


「ここなんだけど、ここはお嬢の攻撃じゃ倒せないから見といてもらうことになるけどいいか?」


「蒼月様一人にしてもらうのは流石に申し訳ないのですが・・・」


「ん?大丈夫だ!お嬢はどこに行っても攻撃当てらんねぇだろ!だから、戦闘スタイルが確立するまでもうちょっと我慢してくれ!」


「なんだか少しバカにされたような気もしますが、まぁ今日はいいですわ。」

モンブランは頬を膨らませる。


「まぁまぁ!気にするなって!ちなみに俺の構想していた"あれ"は出来ることが証明されたからよ!俺超能力のレベルが1上がったんだが、それでお嬢の劣化版が出来るようになったからもう少しの辛抱だ!」


「わかりましたわ。では蒼月様今日もお願いしますね」


「おうよ!」

UIを操作してお嬢をパーティに誘ってから、二魂坊にこんぼうを狩り始める。


それから3時間が経過した。

ただひたすらに二魂坊にこんぼうを狩り続けて、ちょっと疲れたので一度休憩を挟む。


「お疲れ様ですわ、蒼月様!」

休憩と分かるとモンブランは蒼月の方に駆け寄る。


「おう!すまんな。暇だっただろ」


「いえ、そんなことありませんでしたわ。蒼月様が話し相手になってくださったので」

お嬢は3時間ずっと一方的に蒼月に話しかけていた。

ゲームの話、他愛のない話、あとはリアルでの鬱憤?みたいなものなどよく3時間も話題が尽きないなと感心したくらいだ。

配信者とか向いてるんじゃないだろうか。


3時間の狩りで蒼月のレベルは28レベルになった


蒼月

Lv28

HP 660/660


【VIT 5】

【STR 5】

【DEX 5】

【AGI 68】

【LUK 5】

【PSY 95】


装備

頭 【追放者の頭巾】

体 【追放者の服】

右手 【サイキックリング】

左手 【サイキックリング】

靴 【追放者の草鞋】

装飾品

【超能力強化のペンダント】

【無し】

【無し】

超能力

模倣Lv2(電撃操作エレクトロキネシス破裂炎球ブラストボール透視クレヤボヤンス空中歩行エアウォーク


「ん?」

見慣れない超能力を見つけて蒼月の指が止まる。


それからすぐに蒼月の脳内にアナウンスが響く。

空中歩行エアウォーク模倣コピーしました。



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