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第十七話

街に到着し、しばらく談笑した後に蒼月は歯と骨を2人に預ける。

「ミル、メル。そしたらこれ預けるから加工頼むわ!」


「「ねぇ、お兄ちゃん。本当にいいのー?」」


「ん?」


「僕達まだ出会ったばっかりだよね」

「急に姿を現さなくなるかもしれないし」


「勝手に他のところに売るかもしれない」

「規約で禁止されてないからRMTをするかもしれない」


「「それでも僕達を信じる??」」

ミルとメルは蒼月を真剣な眼差しで見つめる。


「ははは!なーんだ、そんなことか」

蒼月は2人に近づきデコピンする。


「「いたぁ!」」


「そういうことするやつはわざわざ確認しねぇんだよ。頼んだぞ!」

蒼月は二人の頭に手を置き、しゃがんで二人の目を見てニカッ笑う。


「ふふふ、お兄ちゃん、本物のお人好しなんだねー。任せてよ!」

「ほんとほんと、いつか悪い人に騙されてからじゃ遅いんだからねー」


「ははは、その時はその時だ!んじゃフレンド登録しようぜ」

蒼月がUIを操作してミルとメルにフレンド登録を送る。


「「やったぁー!」」

ミルとメルは蒼月からのフレンド登録をすぐに許可する。


「それじゃあ完成したら」

「またメッセージ送るね!」

ミルとメルは蒼月とモンブランに手を振って、オウサカの街に消えていった。


「よーし、それじゃあお嬢も今日は解散するか?」


「待ってください」


「おっ?どうした?」


「ワタクシの戦闘スタイルを考えていただけたと言ってたの、教えていただけませんか?」


「おぉ、そういえば言ってたな!すまん忘れてた!ならどっかで座って話そか」


「はい!それならワタクシ、うろうろしてた時に見つけて気になっていたカフェがありますの!」


「おけ!そこ行こか!」

蒼月とモンブランは雑談しながら、モンブランが見つけたカフェに移動する。


カフェの外観から分かる。

モンブランのセンスが良さが。


モンブランに案内され、ついたカフェはかなり落ち着いた雰囲気のカフェだった。


「へぇ、ゲームなのにかなり良い雰囲気の場所だな」


「そうですの!ですが、1人で入るにはハードルが少し高かったので、蒼月様と来れてよかったです!」


「確かにこういう隠れ家的なところって1人じゃ入りにくいよな。んじゃ入るか」

二人が中に入ると店員がすぐさま席に案内してくれる。

店員の動きがあまりにも自然なので、NPCなのか人間なのか判別できない。

流石にゲームにログインしてカフェで働いてるプレイヤーはいないとは思うが


軽く談笑した後にモンブランが本題に入る。

「それで、ワタクシどうすればよろしいでしょうか?」


「その前に一つだけ聞いてくれ」


「はい?」


「俺を信じてくれってカッコつけて言ったけど、このビルド本当に可能なのかどうかは不明だ。だからもしかするととんでもない失敗ビルドになってしまうかもしれない。だから・・・」

蒼月は言葉を詰まらせる。


「気にしませんわ!言ったじゃありませんか。ワタクシ別に強さには固執しておりませんの。だから失敗したとしても構いません。こうしてオウサカの街を探索できるだけでも毎日新しい発見があって楽しいですのよ?」

モンブランはニコニコと話す。


「それにもし失敗したとしても蒼月様が強くなって、次の街まで連れて行って下さるのでしょ?」


「そりゃもちろんだ!頼まれたらいくらでも手伝うぜ!」


「なら、ワタクシは構いませんわ!ワタクシを蒼月様の好きに育ててくださいまし」

モンブランは強さには固執していないのが分かった。


「うし!じゃあ言うぜ!ステータスの振り方はこう言う風にしてくれ」


「わかりましたわ!」

モンブランは蒼月に言われた通りにステータスを振る。

ステータスを振った後、育成方針について蒼月がモンブランに伝える。

モンブランは蒼月の言葉を一言一句逃さないようにしっかりと耳を傾ける。



「今日はありがとうございました!レベルを自分であげることは無いですが、レベルが上がったら蒼月様に言われた通りにしますわ!」


「おう!」


「それではワタクシはこれで失礼しますわ!」


「なぁ、お嬢ほんとに「蒼月様!」」

モンブランは蒼月の言葉を遮る


「それ以上は言わないでくださいまし。ワタクシは後悔しておりませんから」


「・・・。」

お嬢の真剣な眼差しに蒼月は自分の頬を叩く。


「すまん!さっきの無し!絶対に成功する!だから俺を信じてくれ!」


「はい!ワタクシは蒼月様を信じていますので!それでは失礼します!」

モンブランは綺麗なカーテシーをしてから、その場を後にする。


蒼月はモンブランの姿が見えなくなるまで手を振り続ける。


「はぁ、まさか昨日初めて会った人のステータス全部決めるとか、めちゃくちゃ責任重大な役目受けちまったな。それにしてもなんでお嬢はあそこまで俺に肯定的なんだ?リアルでの知り合いで、俺のアバター見て俺だって気付いたか?いや俺あそこまで親しい仲の人間いねぇよ」

蒼月は少し考えるが、全く思い当たる人物はいないので考えるのをやめる。

何かやることを忘れていないか思い返すが、特にやることはなさそうなのでログアウトすることにする。


「さーて、今日はそろそろログアウトするかぁ。なんか濃い1日だったな」

UIを操作してログアウトをタッチする。


蒼月

Lv17

HP 380/380


【VIT 5】

【STR 5】

【DEX 5】

【AGI 46】

【LUK 5】

【PSY 64】


装備

頭 【追放者の頭巾】

体 【追放者の服】

右手 【サイキックリング】

左手 【サイキックリング】

靴 【追放者の草鞋】

装飾品

【無し】

【無し】

【無し】

超能力

模倣Lv1(電撃操作エレクトロキネシス破裂炎球ブラストボール透視クレヤボヤンス


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