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第32話 本名を知らずに

朝焼けの空をいつものようにホテルの窓から覗いていた。


碧央の隣で見るこの空はもう2度と見ることが出来ないと思うと悲しくなった結愛は、すやすやと眠る碧央の横で静かに泣いた。


ワンナイトと分かっていても、受け止められない想いがあった。


後ろ髪を引かれるように結愛はホテルの部屋を出て行った。


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