「はい、ひとつで……ん? きみって」
マッシュウルフの銀色の髪型で
その青年は結愛に近づいた。
「ハピネスセットですね。どちらになさいますか?」
聞かれた事を気にもせずに問う。
「石原って名前なんだ」
ネームプレートを慌てて隠す。
まさか、あの時のホテルで会った人だとは
気づくまで時間がかかった。