「助けてくださってありがとうございます!」
「私としたことがあのような魔物に不覚を取ってしまった、助けていただきすまない」
頭を下げてお礼を言うクラリスとアンナに、ビアンカさんは軽く応じる。
「まあいいってことよ~。あたしだってそのために見張りをしてたんだし」
「やはりここは魔物も出る場所、油断は禁物だな」
「それなんだけどね~、こんな真っ昼間から魔物が出るなんて今まであんまりなかったことなのよ……」
「そうなんですか?」
クラリスの確認に、ビアンカさんは重々しくうなづいた。
やっぱ今のもイレギュラーな事態ってことか。
……それにしてもこのタコ、生で食っても結構美味いな。絶妙な歯応えがクセになるぜ。
そんなことを考えつつ倒したオクトロットを食ってたら、ビアンカさんがそのうち一匹を回収する。
「でもこのタコ、調理すると結構美味しいのよね~。二人とも良かったら食べてみない?」
「え、いいんですか!?」
「ええ! 二人には今後も世話になると思うからこれくらいはさせて」
「ありがとうございます!」
「感謝する」
俺がまだ手をつけてないオクトロットを回収したビアンカさんは、俺たちを海の家もといギルドに招いて受付の向こうで調理を始めた。
「こうして焼くだけでも旨くなるのよ~」
食べやすい大きさにカットしたタコ足を串に刺して焼くビアンカさんの言う通り、早速香ばしい香りが待ってるこっちまで漂ってくる。
「クルルル……」
「うう~、もうお腹空いてきちゃったよー」
「もう昼だもんな、食事にはちょうどいい」
簡単な木のテーブルと椅子に座りながら俺たちが待っていると、ビアンカさんがてんこ盛りのタコ足の串焼きを運んできた。
「さあさあ遠慮しないで食べてね~!」
「はーい!」
「こらクラリス、お前はもう少し遠慮しないかっ。――連れがすまない、それでは私もいただこう」
クラリスとアンナが串焼きにかじりついた途端、二人揃って目をキランと光らせる。
「んんっ!? 何これこんなの初めてだよ~!」
「噛めば噛むほど味が染みていく、まさかあの魔物がこんなに美味いとは!」
夢中で串焼きを頬張るクラリスたちに、俺は頭を擦り寄せておねだり。
「クルルル」
「そうだ、ダイナにもこれ分けてあげないとね」
クラリスが差し出した串焼きに、俺は勢い良くかぶりつく。
「ハフッ!?」
くはっ、こいつはアツアツだぜ!
「あーごめん! 冷まさなきゃだったよね」
謝るなりクラリスが串焼きをフーフーしてくれたので、改めて俺はかぶりついた。
おお、火を通しただけでも身が締まって味わい深くなってる!
「もし今後もオクトロットが出てくるようなら、これも看板メニューのひとつにしてもいいかもね……」
あのービアンカさん? ここって海の家じゃなくてれっきとしたギルドなんだよな……?
お腹いっぱいになったところで、俺たちは宿屋に戻って休息を取ることに。
「はー今日も疲れたね~」
「ああ。しかしあの海はなかなかいいものだった。本来ならあそこも人気の観光地だったろうな……」
やるせなそうにアンナが呟いたところで、たらいに入ったお湯が運ばれてきた。
早速水着を脱いで裸になったクラリスたち二人が、塩水に浸かった身体をお湯で流し始める。
もちろん俺も一緒に混ざるぜ。
「海水浴の後に浴びるお湯も気持ちいいな」
「身体もベタベタになったもんね~。ダイナも気持ちいい?」
「クカ~」
クラリスに背中を流されて、俺も夢心地になる。
塩水でベタつく身体がきれいになるのもそうだけど、やっぱ裸の美少女に洗ってもらえるのがどんなに至福か。
ああ、もう我慢できねえ。
目の前でたゆんたゆんと揺れるクラリスの巨乳に、俺は甘噛み。
「きゃっ。もうダイナってば~」
俺の甘噛みに嬌声をあげるクラリス。
タコ足の串焼きじゃねえけど、クラリスのおっぱいも噛めば噛むほど柔らかくて噛み心地も抜群だぜ。
しかも海水で塩味もついてて、味的にもうまい!!
ナイス、塩おっぱい!
「こら、クラリスの胸をそんなに噛むんじゃない」
アンナに引き剥がされた俺は、今度はそっちの形がいいおっぱいにも甘噛み。
「なっ!? お前って奴は~!」
そうは言うけどまんざらでもないって顔だぜ?
アンナのおっぱいもおっぱいで、張りがあって噛み心地サイコー。
もちろんこっちも塩味だぜ。
そうして身体をきれいにしたところで、普段の服装に着替えたクラリスがこんなことを。
「ねえみんな。ビアンカさんはああ言うけど、やっぱりわたしたちで調査しない?」