白い新居で迎えた初めての朝は、柔らかな日差しが窓から差し込む心地のいいものだった。
「ク……カァ~」
優しい朝日を浴びた俺は、ふわふわの天蓋つきベッドで身体を起こして伸びをする。
宿のベッドも良かったけど、こっちは段違いの気持ち良さだぜ。
両隣を見てみれば右にはクラリスが、左ではアンナがまだすやすや眠っている。
朝寝坊のアンナはともかく、いつも朝早いクラリスの寝顔なんて見るの珍しいな。
二人を起こそうかと考えた俺だけど、心地良さそうな寝顔を見てそのまま寝かせてやることにする。
こうやって気ままに惰眠を貪るのもいいかもな~。
今度はクラリスの豊満なおっぱいに顔を埋めて、俺は二度寝することに。
ああ、やっぱクラリスのおっぱいはムニムニで極上の柔らかさだぜ。
また夢の中に落ちようとした俺を、クラリスが寝言を漏らしながら優しく抱き寄せる。
「むにゃむにゃ……ダイナ……」
まさかクラリス、夢の中でも俺と……!?
そう考えると急に胸がドキドキしちまうぜ!
離れようと身動きする俺を、寝ぼけてるクラリスはさらにぐっと自分側に引き寄せる。
「えへへ……いつも一緒だよ~」
いや、そう言ってくれるのは嬉しいけどさすがに息苦しくなってきたぜ。
クラリスのおっぱいで窒息しかけたちょうどその時、部屋の扉を誰かがノックする。
「……ご主人様。あの、食事ができておりますので、……下に降りてきてください」
「むにゃ、その声はプラムちゃん……? ――はーい、今起きるね~」
どうやらノックしたのは年少メイドのプラムだったようで、それをきっかけにクラリスが目を覚ましたようだ。
「おはよう、ダイナ。わたしのおっぱい、気持ち良かった~?」
「く、クカ……」
朝からニコニコ笑顔のクラリスの前で、まさか窒息しかけたなんて言えない。
というかそもそも喋れないんだけどな。
それから部屋に入ってきたプラムが、きれいに畳まれた二人の服をクラリスに渡す。
「……こちら洗濯させていただきました、お着替えになります」
「え、洗濯までしてくれたの!? それくらいわたしやるのに!」
目を丸くするクラリスに、プラムはぎこちなくスカートの裾をつまんでお辞儀をした。
「……いえいえ、家事全般プラムたちメイドのお仕事になりますので……」
「そ、そうなんだね。あはは……」
おどおどとした態度のプラムに、クラリスは戸惑っている様子。
この分だとお互い自分の立場に慣れてないみたいだな……。
「……下でメリッサさんとハクナさんもお待ちしてますので、……なるべく早めにお願いします」
「う、うん。分かったよー」
失礼します、とだけ残してプラムが退室したところで、クラリスは早速着替えることにしたようだ。
待ってました、毎朝恒例の生着替え!!
ふんわりとした白いネグリジェをするすると脱いだクラリスは、可愛らしくもほんのりえっちな下着姿を経由していつもの服に着替えた。
続いてクラリスはまだ眠りこけているアンナを起こす。
「ほら、起きて。寝てるのもうアンナちゃんだけだよ~?」
「んん……っ、もうちょっとだけ……」
お寝坊さんなアンナはいつも通りだな、安心したぜ。
「しょうがないなあ~、それっ」
これまたいつものようにクラリスが自分のおっぱいでアンナの顔をふさぐと、彼女は苦しくなったのか飛び起きる。
「むごごっ!? ……なんだ、クラリスか」
「おはよ、アンナちゃん」
叩き起こしたアンナにクラリスはニッコリ笑顔。
「ふわあ~、寝床が新しくなったものだからつい熟睡してしまった」
「アンナちゃんが寝坊助さんなのはいつものことでしょ~?」
そんな会話をしつつクラリスは慣れた手つきでまだ寝ぼけ眼なアンナの服を着替えさせる。
もちろんそれもしっかりと見せてもらうぜ。
アンナの素肌も色白で手足が長くてスタイルも抜群だから、見ていて芸術的だと思う。
しかも下着はクラリスとは正反対な黒くて布面積の小さいものだから、こっちも見てて眼福だぜ。
着替えを済ませた二人と一緒に俺も下のダイニングにトコトコと向かうと、巨大なテーブルには美味そうな朝食が既に並べられていた。
「おはようございますわ、ご主人様」
「おはようメリッサさん。もしかしてこの朝ご飯、メリッサさんたちが作ったの?」
「ええ、私たちが腕によりをかけてお作りしました朝食をどうぞ召し上がりくださいませ。――もちろんダイナ様にも食事を用意してありますわよ」
「クカッ!?」
それは本当か!?
メリッサさんの言う通り、俺にはこんがりと焼いた太いソーセージが差し出されていた。
こいつは美味そうだぜ! いただきまーす!!
テーブルの下で早速ソーセージにかぶりつくと、口の中に肉汁と油が溢れかえる。
ぬうっ!? なんだこのソーセージは! めちゃくちゃ美味いじゃねーか!!
「あはは、ダイナも美味しいんだね」
「いつにもましてがっついてるな」
そんな俺の様子をクラリスとアンナは朝食を口にしながら微笑ましそうに眺めている。
こうして俺たちの新しい一日が始まるんだ!