目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

10-1: The Vanguard of Hope(希望の精鋭)

戦場に突然現れた光の中から、20名の精鋭が姿を現した。

統一された白銀の装備が、砂埃に覆われた戦場の中で異様な存在感を放っている。

俺は目の前に現れた彼らに腰を抜かしかけた。

「ヴァレンティナ・シュミット、現着。これより戦場を制圧する」

その先頭に立つのは、銀髪の女性。

一歩踏み出す彼女の目は鋭く、まるで全てを見透かしているかのようだった。

「ヴァレンティナ……シュミット……?」

三輪蓮が呟くと、

「ヴァレンティナって、あの世界ランク7位の……イニシエーターズか……!?」

隣にいた秋月一馬も驚きの声を上げた。

そして彼女の後方には、三人の女戦士が並んでいた。

「フレイヤ、サーラ、イーダ」

「はっ」

「命令だ。状況を好転させなさい」

「了解」

ヴァレンティナの命に、フレイヤ、サーラ、イーダと呼ばれた三名は、静かに頷く。

そんな彼女たちを見つけた緋野翠が、目を輝かせながら手を振る。

「あ! 戦乙女〈ヴァルキリー〉の三人! 久しぶり~!」

彼女の無邪気な声に、フレイヤとイーダはわずかに顔をしかめた。

「……また騒がしいのが来たな」

フレイヤが小さく呟き、イーダはそっと視線を逸らす。

だが、サーラだけは豪快に笑いながら手を振り返した。

「翠! 相変わらず元気そうだな!」

「えへへ~! もちろん!」

「翠、雑魚は任せておけ。でかいのは頼んだよ」

サーラが言うと、

「いいの~?」

翠は小首をかしげながらニヤリと笑う。

「ああ、相性ってもんがある。な、フレイヤ?」

サーラが尋ねると、フレイヤは「構わん」と短く答え、すぐに視線を前へ戻した。

「私たちが受けた命令は、状況を好転させろだ。達成できるならなんでもいい」

「さっすがフレイヤ。合理的で助かる――……ってなわけで、翠、いいってよー!」

サーラはまた緋野に手を振った。

「ふっふーん♪ じゃあ、あの毒々な神徒、もらっちゃうねー♪」

翠はガトリングを構え、ダグモに照準を合わせる。

「私を忘れんなっての!!」

雷燦華が燃え上がる炎の翼を広げ、翠の隣に並んだ。

「あらあらダグモ。モテモテじゃない」

「……嬉しくない」

「嘘言っちゃって。興奮して、汁が漏れてるわよ」

ダグモの服の裾から毒々しい汁が漏れていた。

「で、私の相手は――……」

特級神徒のひとり、セラフィナが城壁を見下ろす。

「私が相手をしよう」

すると、ヴァレンティナが静かに前へ進みでた。

「へえ……あなたじゃ相性悪いんじゃない?」

セラフィナは挑発的な笑みとともに、周囲に無数の剣を浮かべる。

「おまえごときに、相性など考える必要もない」

ヴァレンティナは剣を手に取り、わずかに口角を上げた。

「そう……言うわね」

鋭い視線が交差し、二人の間に緊張が走る。

「ちょっと待て、残る一体はどうする?」

俺が問いかけると、ヴァレンティナがちらりとこちらを振り返った。

「少し遅れているが、もっとすごいのが来る」

その言葉に、俺は眉をひそめる。「それは誰だ?」

ヴァレンティナは薄く微笑みながら静かに答えた。

「私の同期のイニシエーターズで――世界で一番、矢神を愛した男だ」



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?