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9-8: Echoes of Friendship(友情の残響)

「翔! お前、本当に俺らのことが分からないのかよ!」

秋月一馬が拳を振り上げ、喉が裂けそうな声で叫ぶ。その言葉は戦場の喧騒を貫き、結城翔へと真っ直ぐ届いた――かのように思えた。

だが、翔は冷笑を浮かべ、軽蔑の色を浮かべた目で一馬を見下ろし、冷たく呟いた。

「何を分かれって? お前の負け犬みたいな遠吠えの意味が分からないな」

「お前……本当に、俺たちのことを覚えてないのか!?」

一馬は怒りと悲しみを滲ませながら叫ぶ。拳を握り締め、今にも翔へと殴りかかりそうだった。

「俺たちが一緒に過ごした時間を、お前が覚えてないなんて、そんなわけねえだろ!」

一馬の迫力に、周囲のプレイヤーたちが息を飲む。だが、翔は微動だにせず、肩をすくめるだけだった。

「さあな。この体の持ち主の過去なんて興味ない」

冷たい言葉が突き刺さる。

その瞬間、翔の銃口が一馬を正確に狙い、引き金が引かれる。


パンッ!


銃声が響く。一馬の肩に赤い閃光が走る。

「ぐっ……!」

銃弾が一馬の肩を貫き、彼の体が砂の上に崩れ落ちた。

「一馬!」

三輪蓮が叫び、駆け寄ろうとするが、翔はさらに銃を構え直し、冷淡な声で制した。

「次はお前か?」

その冷酷な一言に、蓮の動きが止まる。それでも蓮は睨むように翔を見つめた。

「……本当にお前なんだな、結城翔」

蓮の静かな声が、かえって痛切に響いた。

「なにが言いたいんだ?」

翔が眉をひそめ、銃を傾ける。

「お前さ、俺たちと一緒に、バカやってたじゃねえか……!」

蓮の声が震える。彼の瞳に映るのは、かつての結城翔との思い出。

「俺たちは、くだらないことで笑って、何もかも無駄にして、それでも……一緒だっただろ!」

「……なんの話だ?」

翔はあくまで冷たいままだった。

「俺たちのことは、どうでもいいってのか!」

蓮の声が悲しみに揺れる。その言葉にも、翔は冷笑を崩さない。

「どうでもいい……それが正解だな」

無機質な声が戦場の空気を切り裂いた。

「翔! お前、本当にそれでいいのか!」

蓮は叫びながらガン・ダガーを構える。だが、翔はあくまで冷酷で無感情だった。

「終わりにするぞ」

翔が再び銃を構えたその瞬間、蓮は覚悟を決めて前に出た。


カッ!

突然、戦場全体が眩い閃光に包まれる。

「……なに!?」

翔が動きを止め、視線を上げる。

目に映ったのは、夜空を切り裂くような光の筋――それはまるで流星のように、戦場へと降下してきていた。

「新しい敵か……?」

蓮が息を呑みながら呟く。しかし、違う。

その光が放つ気配は、神徒たちのものとは異なっていた。

ドゴォォォォン!!

轟音と共に砂塵が巻き上がり、戦場に大きな衝撃波が広がる。

「な、なんだ……!?」

一般プレイヤーたちが怯えたように後ずさる。

「援軍……なのか?」

俺はガン・ダガーを構えたまま、降り立った光の中の影を睨んだ。

疲弊する戦場――希望か、さらなる試練か

「……くそ、俺たち……もう持たねえぞ……」

どこからともなく、一般プレイヤーの疲れ切った声が聞こえる。

俺はハッとして周囲を見渡した。

満身創痍の仲間たちが、互いに支え合いながら、傷ついた体を引きずるように立っている。

「もう戦えないよ……こんなの、無理だ……」

膝をつき、動けなくなったプレイヤーもいた。

「ここまで戦ったのに、まだ終わらないのか……?」

誰かが呟く。その言葉が、戦場全体に広がる絶望感を象徴していた。

流星の希望――降り立つ存在

砂塵が晴れていくと、そこには数名の影が立っていた。

彼らは静かに戦場を見渡し、ゆっくりと前に進み出る。

その歩みには、確固たる意志と圧倒的な気配が宿っていた。

「……なんだ、あいつら……!」

俺は呟くように言いながら、ガン・ダガーを握る手に力を込めた。

戦場に新たな緊張が走る。


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