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9-6: The Cruel Countdown(最後のカウントダウン)

「報告! 6の門、敵の猛攻を受けて防衛が困難!」

「3の門も持ちこたえられない!」

通信機から続々と届く報告が響くたび、戦場の緊張感が高まる。時計は残り33分を示しているが、その時間が異様に短く感じられた。

「これ以上は……城壁を捨ててメインゲートを守ったほうがいいのでは?」

誰かが恐る恐る口にしたその言葉に、場が一瞬凍りつく。

「何言ってんだ!」

秋月一馬が拳を打ち鳴らしながら叫ぶ。

「王の間は狭い! そこに人を押し込めたら、身動きが取れなくなる!」

三輪蓮も冷静に指摘する。

「そのとおり。動けないところを物量で押しつぶされたら終わりだ」

彼らの言葉に怯えかけていたプレイヤーたちが、次々と顔を上げた。

俺はガン・ダガーを握りしめながら、視界の端で迫りくる中級神徒の巨影を捉えた。

その動きは遅いが、その威圧感は絶大だ。

「黒磯、どうする?」

蓮が問いかけると、黒磯風磨は巨剣を担ぎ直し、力強く頷いた。

「簡単だ。俺たちで敵を倒す。それだけだ!」

「そのくらい言えなきゃな」

黒磯は振り返り、拳を掲げる。

「みんな!俺についてこい! 30分後に、勝利を見せてやる!」

その言葉に、全員が雄たけびを上げ、再び戦闘の構えを取った。

「さあ、来るぞ!」

黒磯が巨剣を構え、中級神徒に向かって突進する。

「俺が引きつける! 隙を作るから、コアを狙え!」

その力強い声に応じ、俺たちはそれぞれの武器を構えた。

黒磯の動きは以前とまるで違っていた。巨剣を軽々と振るい、敵の注意を完全に引きつける。

「おい、そっちはどうした! 相手はこっちだ!」

叫びながら、巨剣を振り抜き、中級神徒の脚部に強烈な一撃を叩きつける。その一撃で敵の体勢が崩れ、一瞬の隙が生まれる。

「すげえな、黒磯!」

俺は感嘆しながら駆け寄り、ガン・ダガーを構えてその隙を突いた。

「おまえもな――で、他の奴らは?」

黒磯が周囲を見渡しながら尋ねる。

凪のリボンが敵の動きを封じ、美雪が鋭いレイピアでその隙を正確に突いて攻撃を加える。だが、敵の装甲は厚く、一撃では倒しきれない。

「全然効いてねえ!」

一馬が荒い息をつきながら叫ぶ。

「一馬、動きを見て! 弱点を探せ!」

蓮が冷静に指示を出し、敵のコアの位置を探ろうとする。その言葉に従い、俺たちは攻撃を続けた。

「リボンで動きを止める!」

凪が叫びながらリボンを操り、中級神徒の足元を絡め取る。

「今だ!」

美雪がその隙を逃さずレイピアを突き刺し、蓮がエレクトロブレードで防御を削る。

「これで終わりだ!」

一馬の燃える拳が直撃し、敵の動きが止まる。

中級神徒が大きく揺れて崩れ落ちた。

「大丈夫そうだな」

黒磯が巨剣を肩に担いで笑みを浮かべる。

「ああ」

俺は軽く笑いながら返した。

その時、耳を裂くようなサイレンの音が響き渡った。

「最終ウェーブ……!」

誰かが呟いたその声に、場の空気が一変する。時計は残り30分を示している。

「総員、最終ウェーブに備えろ!」

通信機から梓の声が響く。その言葉が全員の覚悟を問うように聞こえた。

「守るんだ……どんな形でも、ここを!」

俺は自分に言い聞かせるように叫び、再びガン・ダガーを構え直した。

城壁に迫る神徒の影は、さらに濃く、重く――そして、絶望的だった。



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