目次
ブックマーク
応援する
7
コメント
シェア
通報
2-7: The Edge of Survival (生存の瀬戸際)

俺たちは、何とか敵を切り抜け、ゴールに近づいていた。


その時、俺の背中をちょんとつついて、美雪がふと微笑んだ。


「賢くん、もしかしたらピーターパン部隊に入れるかもしれないですね」


「ピーターパン部隊って、エリート部隊なんだよな?みんなの憧れってことは、 美雪や凪も目指してるのか?」


俺は思わず問い返した。


「みんなが目指してるわけじゃないよ」


美雪が少し柔らかい声で返事をし、続けて凪が口を挟む。


「ピーターパン部隊に入れば、特別なクエストが与えられるの。そのクエストこそが、このゲームの完全クリアの鍵なんだから」


「ゲームの完全クリアの鍵……?」


俺は凪の言葉に驚きつつ、考えを巡らせる。


つまり、ピーターパン部隊に入ることが葉奈を救うことにつながるのか?


ピーターパン部隊に入ることがその道だというのなら、目指すしかない。


「俺もピーターパンになれるのか?」


俺の真剣な問いに、凪は少し微笑みながら、冷静な口調で答えた。


「賢の実力なら、可能性はあると思う。でもね……まずは、今の戦いを乗り越えないと」


凪の言葉が冷静に響き、俺の心を引き締める。


たしかに。今はこのステージをクリアすることが最優先だ。


その時、突然凪が鋭く声を上げた。


「気をつけて!」


「何だ!?」


俺が反応する前に、地面が震え、巨大な敵が地中から姿を現した。


巨大な昆虫のような姿だ。


次々と同じタイプの敵が俺たちを取り囲むように押し寄せてくる。


「こんな数、どうすれば突破できる……?」


俺は敵の圧倒的な数を前に、頭が混乱し、立ち尽くす。


「賢、落ち着いて! あなたならできるから!」


凪がリボン状の武器を軽やかに振り、敵の動きを巧みに封じながら、励ましてくれる。


「そうです、賢くん。君ならきっと乗り越えられるはずです!」


美雪も鋭いレイピア型の武器を構え、エネルギーを集中させながら冷静に声をかける。


彼女たちの言葉が背中を押すように、俺は冷静に周囲を見渡した。


敵の動きや地形、そして自分たちのポジションを瞬時に分析し、打開策を考え始める。


ここでの勝利には、連携と計算された戦略が必要だ。


「いいか、まずは敵の動きを止める。それから……」


俺は素早く作戦を立て、凪と美雪に伝えた。


「了解!」


凪はすぐにリボンをしならせ、敵の脚を絡めとり動きを止める。


美雪も「やってみます!」と頷き、レイピアを振りかざしてエネルギーの防御フィールドを展開する。


俺はその隙に敵に突撃し、双剣を巧みに操って次々に敵を切り倒していく。


凪と美雪のサポートを受け、俺の動きはますます鋭くなっていく。


「今だ、凪!」


俺が合図を送ると、凪が素早くリボンで敵の大群を拘束し、美雪がその瞬間を逃さず、エネルギーを集中させた一撃で貫いた。


「ナイス、美雪! 凪も完璧だ!」


俺は声をかけ、次第に優勢になっていくのを感じた。


敵を倒すごとに、俺たちのチームとしての動きが洗練されていく。


だが、敵の数はなおも圧倒的だった。


「くっ……どうする!」

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?