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1-1: The Broken Guardian(傷ついた守護者)

突然、視界が暗転し、次の瞬間には青白い光が辺りを包んだ。


頭がぐらりと揺れ、まるで無重力の中に放り出されたような感覚。


何が起きているのか、まるでわからない。


足元が消え、目の前には見たこともない風景が広がっていた。


青く透き通った空が果てしなく続き、遠くの地平線には異様なほど巨大な岩が点在している。


まるでゲームの世界に迷い込んだかのようだ。


しかし、これは夢ではない。


俺は自分の胸を叩いた。

確かな感覚が返ってくる。


「……ここはどこだ?」


頭の中は混乱し、心臓はバクバクと鳴り響いていた。


何をしていたんだ? 

どうしてこんな場所にいる?


 恐怖が全身を駆け巡り、目の前のひび割れた地面が一層異様に見える。


さらに遠くでは、見たこともない生物がうごめいている。


その時、突然、轟音が耳に飛び込んできた。

振り返ると、遥か彼方で何かが爆発したかのような音が響いていた。


鼓動がさらに速くなる。

今すぐにでも逃げ出したい気持ちに駆られるが、動けない。

何が起きているのかまるでわからない。

ただ、この場所が普通じゃないことは確かだ。


「くそっ、俺はどうすれば……」


冷静になれ。

自分にそう言い聞かせるが、頭の中はパニックで足が震えて動かない。

現実離れしたこの光景に圧倒され、体が硬直してしまっている。

目に映る全てが理解を超え、心がついていけない。


その時、視界の端に何かが動いた。

近づいてみると、それは――ひとりの少女だった。

全身が傷だらけで、今にも倒れそうな姿で、必死に何かを守っている。

彼女の体は震え、限界が近いことが見て取れた。


「おい、大丈夫か……?」


声がかすれてしまう。

何を言えばいいのかわからない。

ただ、その姿に目を奪われていた。

彼女は敵と戦っている。

鋭い刃物のような武器を握り、数体の敵と対峙しているが、その表情は苦しげで、今にも崩れ落ちそうだ。


俺は――動けなかった。

助けたいという気持ちはあったが、恐怖で体が動かない。

彼女が必死に戦っている姿を、ただ見ているしかなかった。

目の前の圧倒的な光景に飲まれ、声すら出ない。


「お願いだ……動いてくれ、俺の体……っ!」


心の中で叫ぶが、体は石のように動かない。

彼女は次々と敵を倒していくが、その動きは次第に鈍くなっていく。

明らかに無理をしている。それでも俺は、立ち尽くすしかなかった。


そして、ついに彼女は限界を迎えた。

最後の力を振り絞って敵を一掃する。

直後、彼女は糸が切れたように倒れ込んでしまった。


地面に崩れ落ちた彼女は、もう戦える様子ではない。


俺はその姿を見て、ただ無意識に駆け寄っていた。


目の前で倒れる彼女を、何もできずに見ていただけだ。

罪悪感に押しつぶされそうになる。


その時、彼女がかすれた声で呟いた。


「君……どこから“ログイン”してきたの……?」


その言葉が、俺の意識を現実に引き戻す。


「ログイン?」


どういうことだ? 


頭の中に疑問が渦巻くが、今は考えている余裕はない。

この異常な場所、彼女が言った“ログイン”という言葉――すべてが謎に包まれている。


だが、今考えるべきはそれじゃない。

目の前に倒れている彼女を助けなければならないという、本能的な思いが俺の中で燃え上がった。


――彼女を守らなければ、と。

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