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あなたは死なせちゃダメなんですから!!と超絶可愛い天使様は言った
ミハナ
恋愛現代恋愛
2024年09月25日
公開日
1,677文字
連載中
死にたがりな男の前に、可愛い天使様が現れた。
「あなたは死なせちゃダメなんです!!!」
かくして天使様と死にたがりな男とのラブコメが始まる。

第1話 もうダメだ

冴えないリーマンである俺はめでたく100社目の会社から首を切られたとこだった。


ふらりと足が赴いたのは電車のホーム。


もう、生きる気力もない。


妻も取れない人生だった、悔いばかりが残るのはしょうがないだろう。


おめおめと生き延びて101回目の再就職もしたくない。


人生を辞めてやる。


神なんて、いなかったんだ。


ふらりと足が自然と動く。


いつもJRは人身事故で止まってんだ、俺が飛び込んだぐらい、なんでもないさ。


また疲れたサラリーマンの飛び込みがありました、とかさらっとニュースで流れて、芸能人の恋愛事情に押し流されていくんだ。





ああ、くだらない人生だった。


でもこれでおわりだ。




ふらりふらりと電車のホームに近づく。


迫る電車はもうすぐだ。


周りの声も聞こえない、




ぐっばい、くだらない人生よ。





身を投げる時、何か強い力に引っ張られた気がしたーーー。









「ああんもう! ! あなたは死んじゃダメなんですってば! ! ! ! 」







グイッと引っ張られた先、温かな温もりと柔らかな感覚に目を見開いた。


見たこともない、豊満なおっぱいに顔を押し付けられて、声がした方を見れば。




艶やかな真っ白い翼に、金の髪、蒼い瞳をした、天使としか呼べない物体がそこにいた。





「……は? 」


「もうもう、あなたは全世界のバランサーで、死んじゃいけない人なんですよう! 分かりましたか? 」




慌てて周りを見てみたら、何もかもが止まっていた。


迫り来る電車も、周りで騒ぐ人も、時計も何もかも。


「どうなってんだ、死後の世界か、ここは」


「だから死んでないですってば! 」


わかりましたか? と顔を覗き込む天使ははちゃめちゃに可愛い。


だからこそ分かるわけがない。


「どうやら、あなたは死の気が出てますが、このわたしが来たからには死なせないですからね! !なにからも守ってみせます! むん!やりますよ〜! !」





どうやらこの天使は俺を死から守る存在らしい。


そんなのはクソッタレなんだが。




「頼むから死なせてくれ……」





ぶらん、と天使に捕まったまま、呟くしか出来なかった。


危機一髪で命拾いしやがったことだけは、伝わった。

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