『次のニュースです。連続不審死事件の容疑者、
ニュースのチャンネルを変えると、
(犯人は白水家の現当主ってことになったわけか……。はぁ、世の中クソだな)
白水
時計に視線をやる。時刻は午前十二時を過ぎた頃だ。
「せっかくの休日に、ふざけたことだな。全く」
舌打ちをしながら、ベッドから起き上がると景梧は適当に着替えて自室のマンションを出た。
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やってきたのは警視庁だ。
今回の事件の被害者兼証人として、何度か事情聴取をされていて、今回もその件で呼び出された。
面倒な事件に辟易している刑事と話終えた景梧は、外に出た。ふと、視線をベンチにやると見知った顔が二つ、並んで会話をしていた。
本当の意味で、ただの被害者な彼らは意気投合したようだ。
(ガキ同士で気が合うのはいいこったな……。俺は願い下げだが)
二人が気づく前に、景梧は反対側へ歩き出した。そして、空を見上げ睨むと口角を上げる。
「さぁて、明日からは仕事だ。せいぜい……人助けといこうじゃねぇか……」
命を軽んじているわけではない。だが、その重みをしっているからこその――ドライさを胸に、彼は歩く。
雑踏の中を――。