『ここは日本の……
「あの! バーチャル空間を重ねているということは! 他の方々が生きていたりなんかは……」
『残念だけど、実際に殺し合ってしまっているからね。生き返りはしないよ』
残酷な事実に、純汰が黙り込む。それに視線をやることなく、
「さて、話は終わりだ。そろそろ……始めるぞ。俺達の所持品はどこだ?」
「それなら知ってるよー! ここにあるから、さぁぱーっとやっておくれ! そして……頼むから早く家に帰してくれない?」
それを取り出し、邪魔な甲冑を脱ぎ捨て堂々と着替えだす景梧。
「お、お兄さんって……どうしてそう!」
「まぁ純汰君。ここはわたし達男しかいないわけですし……諦めて着替えましょう?」
忠義に促され、渋々純汰も着替えだす。重苦しい甲冑から解放された三人は、自分達の首にかかっているペンダントを見つめる。
「おい、こいつはどうしたらいい?」
『もう必要ないし、命の危険もないから外していいよ。それじゃあ、兄さん。そして、巻き込んでしまった君達、本当にすまない。――さようなら』
朝春の映像が乱れ、消えていく。彼の人工知能はおそらく設定上長く存続できなかったようだ。
残された二人は、互いに気まずそうにしながら静かに終わるのを待った。
そうして――無事、願いの半分は叶った魔女達により、彼らは解放された。
死のゲームという名の、ただの色恋沙汰の後始末から……。
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――結局のところ、このゲームは何をしたかったのかって?
そうだな……簡単に言うなら、復讐……かな。
そう、復讐。
ぼくを殺し、裏切り、手柄を独り占めしようとした
ぼくから恋人を奪った
本当は、この二人だけで殺し合いをさせるつもりだったんだ。
だけど、そこに彼女が介入して……改変されて、円卓の騎士とマーリンを集めてしまった。
そこから歯車がおかしくなって……今の状況さ。
死してなお、ぼくは罪深い。とてもアーサー王には……成れないね。