「……どういう意味です? モルガン」
問いかける
『彼が来ました』
その声でようやく気配に気づいた霧彦が、舌打ちをしながら距離を取る。その動きでクラレントの攻撃が止まったため、
「なにが起こって……
「お前も知らないっつーことは……最後の騎士か?」
警戒する二人の横で、純汰が元の人の姿へ戻る。息を切らせる彼を庇うように、
「どうやら、生き残っている者は揃っているようだな。あぁ、ランスロットの座に就いた……
一人語ると、頼は高らかに宣言した。
「さぁ、裁定の時は来た! アーサー王を
どこまでも死んだ瞳に、殺意だけを宿して。
頼はランスロットとしての力だけではない……全能力を解放した。
「アロンダイト! 全てを終わらせよう……リーレ!」
『えぇランスロット様。終わりにしましょう』
アロンダイトが分裂していく。それは先程のクラレントと似ていた。
だが……決定的に違うのは――。
「君達は知っているかい? ランスロットは……全てを裏切った。愛に目覚めてね? だからこそ、その愛に! 答えようじゃないか!」
分裂したアロンダイトが、巨大な円を描く。そして、回転しながら光を纏い出した。霧彦が叫ぶ!
「この戦い! 勝たせてもらわないと……困るんですよ! モルガン! いいから言うこと聞いて展開を!」
『……承知しました。クラレント、展開』
先程の攻撃を繰り出そうとする霧彦。それを見て、景梧と忠義がそれぞれ剣を構え直した。
「行くぞ! あぁ、もし……ついでの二人以外にケイ卿、君も殺してしまったらすまないね?」
不敵に笑うと、自身が手にしているアロンダイトを掲げ、光の輪をそのまま
高速回転する光の輪は、四方八方に光線を放ちながら霧彦に向かって行く。その攻撃を解放したクラレントで防ごうとする。だが……。
「なんっで! 威力がこんなに落ちているんですかね!? モルガン! モルガン!!」
『障壁、展開できません。魔力不足です』
「……はぁ!? ふざっけんな! 死んでもいいんですかー!? 自分、重要人物でしょう!? なんせ!」
「アーサー王……もとい、
頼が初めて大声を上げて笑った。その表情は狂気に満ちていて……見る者に恐怖を与えた。
その間にも、光の輪はあらゆる場所を破壊しながら霧彦に迫る。
「ちぃ! ちくしょう!」
叫ぶ彼の前に――景梧が現れた。