「ほう? 協力ってのはどういう意味でだ?」
挑発的な口調で
しかし、忠義は挑発に乗らず、静かに告げた。
「言葉通り……と言っても、素直に受け取って頂けないでしょう。ですので、言わせて頂きますが……わたしはこの戦いの中心人物であろう、
(なるほど。言っていることに整合性はある。それに……確かに他の連中も|朝春《あさはる》を知っていたかどうかわかんねぇしな……)
「いいぜ? だが条件がある。……俺の名は聞くな」
その言葉に、横にいた純汰が目を瞬かせ忠義は不思議そうな顔をする。
「なんだ? 野郎の名前なんか、一々覚えてなくてもいいだろうが」
「では、なんとお呼びすれば? 一応、呼び名がないとこちらは不便なのですがね?」
忠義からそう言われ、景梧が変わらぬ口調で答えた。
「ケイ卿。それでいい」
「……ほう。わかりました。あなたのことはそう呼ぶとして、そちらの彼は?」
純汰の方へ視線を向ける忠義。目つきは冷静だが、敵意を一切感じさせない雰囲気に……純汰は景梧と真逆の決断をした。
「僕は
礼儀正しくお辞儀をし、自己紹介を終える純汰。そのやり取りを横目で見つつ、景梧は警戒し続けていた。
(この野郎から敵意も、殺意も感じはしねぇ。だが、なんだ? |何《・》|が《・》|引《・》|っ《・》|か《・》|か《・》|っ《・》|て《・》|い《・》|る《・》?)
自分でもわからない感情に戸惑っていることを
「それで……てめぇの目的はなんだ」
「この無価値な戦いを終わらせたい。わたしの想いはそれだけです」
断言する忠義に景梧は少しだけ口角を上げた。
「じゃあお互いに、手札を開示するか? 有益な取引ができることを願っているぜ」
「えぇ。お互いに」
二人の青年は、静かに情報交換をした。忠義の持つ情報と――景梧の持つ
なにか言いたげな純汰を目線で黙らせ、景梧は話を続ける。
「ここが日本ってのは、合ってたわけだ。だが……」
「えぇ、土地については違和感を拭えません。もしかしたら……この土地は私達に見えているのと本来の姿は違うのかもしれませんね」
そこで言葉を区切ると、忠義が静かに尋ねる。その声色は真剣そのものだ。
「それで……あなたの知っている狩屋朝春という人物が、アーサー王として――なぜこのような事態になっていると思われますか? ケイ卿?」
「こっちが知りてぇところだな。……鍵はおそらく、モルドレッドだろうがな?」