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第37話 太陽は落ちて

「な、なんだ!?」


 太陽たいようが驚く。なぜなら、らいの持つアロンダイトが分裂したのだ。複数になったアロンダイトがちゅうを舞い、太陽に襲いかかってくる。


「なぁ!? こんな……!!」


(こんな能力、ランスロットにはあるっていうのか!?)


 勿論、伝承上にこのような記述など存在しない。だが、円卓の騎士に詳しくない太陽にはわかるはずもなく。

 慌ててガラティンで斬り払う。

 だが――。


「ぐぅ……!」


 あまりの数に、全ての攻撃を捌ききれない。剣の刃が、太陽の身体に突き刺さって行く。

 いくら、日光で身体を強化しているとはいえ、アロンダイトの刃は


「な……がはっ……! なぜ、なん、で……だ?」


 明らかに有利なはずの状況において、追い詰められている事実。


(一体……なにが……起こっているんだ……!?)


「驚いているな? まぁそうだろう。そういえば、君はランスロットとガウェインの最期のやり取りを知っているか?」


「は、はぁ……!? ぐっ……うっ……がぁ!!」


 なおも刃が太陽の身体を貫いていく。そうしているうちに、頼が近づいてきた。

 その頃には、すでに太陽は息切れしており身体からは血が流れていた。


「まぁ言ってそんなに詳しいわけではないのだがね? 武器をもっていない状態のガウェインを殺したのさ。ランスロットは、な?」


 そう告げると、ガラティンを等々落とした太陽の首に刃を突き立てる。そして……。


「さようならだ。


 それを最後に、太陽はこと切れた。その命を散らしたのだ。


 アロンダイトに付着した血を、太陽が身に着けているマントで拭と、その場を後にした。そのタイミングを見計らったかのように、アナウンスが流れる。


『はーい! 四人目の脱落者の紹介だよー! 今回の脱落者は、ガウェイン卿もといやまなし太陽君でした! いやぁ立地的には有利のはずだったんですがね? 相手との相性かな! さぁどんどんゲームは進んで行くよ! それじゃあ、シーユー!』


 相変わらずのアナウンスにも、頼が気にすることもなく。

 彼の脳裏を支配しているのは、


「早く……君と会いたいよ……。愛しき……愛しき人……!」


 盲目的なほどの愛を抱きながら、彼は進む。

 次に狙うのは……。


「次は……ガレスだな……。ほふってやるとも……君のためなら」


 静かに呟くと、彼はリーレに語りかける。


「案内をよろしく頼むよ?」


『承知しました、ランスロット様。しかし、よろしいのですか? ケイ卿が同行しているはずですが』


「そこが問題だけれど……まぁ気にすることはないだろう」


 そうして彼らは標的に向かって進んで行く――。

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