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第36話 陽射しの中で

 日光が降り注ぐ中、対峙する太陽たいようらい

 状況と能力的には有利なはずなのに、太陽はどうしても先程から感じている嫌な予感がぬぐえずにいた。


(なんでだろ~ね? ランスロットとガウェインてどんな関係なんだっけ……?)


 思考する太陽に対し、切っ先を向けながら頼が口を静かに開く。


「どうした? 状況的には優位なはずだが……来ないのか?」


 挑発してくる頼。その彼の目からは、明らかな攻撃の意志が読み取れた。太陽は冷や汗が流れるの感じつつ、迎撃体勢に入る。

 それを確認すると同時に、頼が動き出す。アロンダイトを構え、太陽との距離を一気に縮めてくる。


「うおっと~!?」


 口調こそ軽いが、その実、斬撃をかわすのが精一杯であり、反撃するスキがない。


「日光の力を、増幅させますかねっと~! グリテン!」


『いいでしょう、サーガウェイン。そのオーダー承りました』


 太陽の持つガラティンが輝き出す。降りそそぐ日光を取り込むかのように。


(反撃のタイミングをミスるわけにはいかないな)


 頼の猛攻をギリギリで避けながら、タイミングを見計らう。


 だが……。


(うっそだろ! スキが全く見えないぞ!?)


 頼の動きに一切のスキが見つからない。それが歯がゆく、また不気味だった。


「どうした、ガウェイン卿? 何かを狙っているようだが、このままでいいのか?」


(ちきしょう! 余裕ぶりやがって!)


 返事をするかわりに太陽はガラティンを握り直し、神経を集中させる。そして、能力を解放する。


「ガラティン、フルオーダー!」


 ガラティンの刃部分が光り輝く。天に向けてガラティンを向けると、頼めがけて

 周囲を眩い光が包む。


「なるほど? それが能力というわけか」


「……!?」


 あれほどの光の中を頼はもろともせず、太陽の背後を取っていた。


「なっ!?」


 慌てて距離を取ろうとするが、頼の方が速かった。あっという間に太陽の身体に向けてアロンダイトを振り下ろす。


「くっそぉぉ!!」


(やられてたまるか!)


 もう一つの能力を。それは……身体強化だ。強固にした左腕でアロンダイトの斬撃をはねのけると、一気に距離を取る。


「ほう? さすがはガウェイン卿の名を冠するだけはあるか。一筋縄ではいかないようだな」


 構え直したアロンダイトに一瞬視線を向けると、すぐに太陽を睨みつけ、静かに口を開く。


「では、こちらも能力を解放するとしようか?」


 アロンダイトの切っ先から、周囲を包み込んで行く。


 それは……黒い霧だ。


「はっ!?」


(ランスロットってこんな技もっているのか!? 嘘だろ!?)


 驚きを隠せない太陽に対し、静かに頼が告げる。


「終わりにしよう。全てを……」

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