――二日目、五時間経過。
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「うーん、会いませんね? ティロノエ! 他の円卓の騎士はいずこですかね?」
ガラハッドの座を与えられた青年は爽やかな笑みを浮かべながら、自身の魔女に尋ねる。
『えぇ、ガラハッドさま。今サーチをかけておりますが……この近辺にはいらっしゃらないようです』
今彼がいるのは、
土地と金さえあれば、造れてしまう範囲だろう。
「それにしても、この戦いの主催者さんは、とてもお金持ちなのですね! このような場所を日本で用意できるなんて!」
感心したような声を発する青年に対し、ティロノエが語りかける。
『それにしても、本当によろしいのですか? ガラハッドの座に
そう尋ねられた彼は、にこやかに告げる。
「えぇもちろんですよ! 最初マーリン候補として呼ばれた時もそうでしたが、スリルは人生において大事です! まぁ、元々のガラハッドの座の方が自死されてしまったおかげで、こうして円卓の騎士になれたのですから! 幸運ですよ!」
嬉しそうに語る彼の言葉に、耳を傾けているのか静かなティロノエ。それを気にすることなく、彼は続ける。
「まぁ結果として、他のマーリン候補の数名は首輪爆弾で死にましたが! それはそれですし……マーリンの座に就いた彼も頑張っているのだと思うと、身が引き締まりますよ!」
『良い事です。ワタクシとしても、貴方がガラハッドの座に就いたことは良かったと認識しています』
そう語るティロノエに対し、彼は
「そういえば、魔女であるあなた達は口調が一律かのようにほぼ変わりませんが、識別方法はあるのですか? あ、ペンダントの形状とかはなしですよ?」
そう訊かれ、ティロノエが答える。
『識別コードと自認の有無など差異は勿論ありますが……
「なるほど! それはそれで興味深いですが……まぁ今は円卓の騎士探しですね! そうしないと、僕は死んでしまいますからね! あぁ早く会いたいなー他の円卓の騎士に! それも……できれば単独行動の方に!」
どこか、胸を躍らせているようにも見える彼に、ティロノエが今度は尋ねる番だった。
『ガラハッドさま、いえ、今はあえてこう呼びましょう。
「それは……自分の人生を生ききっていないと感じるからですよ! だからこそ……だからこそです! ボクは自分の人生を生きるのです!
熱い決意を語ると、ガラハッドもとい聖斗はまた爽やかな笑みを浮かべる。そして、他の円卓の騎士を求めて、歩き回るのだった。