同時刻。
別場所にて。
協力体制を取ることにした
この場所の特定は難しくとも、大体の広さなど少なくても良いからこの場所の情報がほしいからだ。
「それでさー忠義くん? なにか掴めたの?」
「いえ、まだ何も。ここは焦らず行きましょう……残りの円卓の騎士とも協力体制を結べれば良いのですがね……」
「うーんどうなんだろーね? そもそも、他の円卓の騎士になった連中ってさ、目的あんのかな? あ、ぼくはちなみにないよー? あはは」
(まさか、なんとなく面白そうだからなんて言えないしねー)
そんな太陽の言葉にも、動揺することなく忠義は話を続ける。
「それも人によるでしょう。まぁ
どこまでも冷静な忠義に、太陽は思わず感心する。それと同時に、警戒心も上がった。
(どこまで信じていいのかな~? まぁお互い上手くやろうじゃないか)
太陽は横目で忠義を見る。温厚そうな見た目、そして中性的な容姿。
「君ってさ~ぼくほどじゃないけど、モテそうだよね?」
「モテる……ですか。あまり意識したことはありませんが……」
どういう反応をするか見たさで訊いてみたが、返って来たのは味気ないもので太陽は少し不満だった。彼は元来、人心掌握に自信がある。そうでなければ、ナンバーワンホストになんてなれないからだ。
だが、目の前の青年はどうだろうか? 知略に長けていそうではあるが感情が読み取れない。同性だから……というのもあり得るがそれ以外にもなにかある。
そう太陽は思考を巡らせてみて――すぐにやめた。
(女の子には興味あるけど、男に興味ないしね~。考えても無駄なことはやめとこっと)
互いについては、昨日の夜のうちにある程度話した。年齢、職業……とても簡素な自己紹介から雑談をし、どういう人物なのか、
それでも、隠していることはある。
だからこそ、互いに完全に心を開くことはない。――彼らは。
しばらく歩いていると、ずっと遠くに感じていた壁に近づいていた。
「ほへ~。案外、近づけるもんなのね~」
「そうですね。ですが……かなりの高さがありますね。これでは、壁の外を見ることはできないでしょう」
「つまり、収穫なしってことか~」
大げさにがっかりして見せる太陽に向かって、忠義が答える。
「いえ、収穫はありました。どうやらこの主催者――我々に場所の特定をよほどされたくないようですね」
「あー……なるほどね?」
言われてみれば確かにそんな意図がありそうにも判断できる。
「まぁ、それでもさ? 外の情報ってそんなに重要なの?」
「……重要ではあるかもしれません。少しは主催者の狙いがわかるかもしれませんから……」
そんなやり取りをしつつ、二人は壁から離れて行く。警戒を怠ることなく。