「お取込み中のところ、失礼致します。わたしはベディヴィエール卿の役目をおわされました、
そう言って自身の名を明かすと忠義は、二人に向かって一礼する。そして、ゆっくりと二人の間に立つと、彼らに向かって口を開いた。
「お二人は、なぜ争われているのですか?」
忠義の言葉に二人は思わず呆気にとられてしまう。なぜなら――
「お二人とも、ただ言われるがままに殺し合っていたのではないですか? 魔女達に言われるがままに争う意味が果たしてあるのでしょうか?」
問われた二人は、答えられない自分達に気づく。その様子を見て忠義は更に話を続ける。
「だから、提案があります。殺し合うことなく生き残り、各々の帰るべきとこへ帰りませんか?」
「どういう意味ですか? ベディヴィエールのお兄さん。殺し合わないとここから生きて帰れないんですよ! いいんですか?」
ガラハッドである水色の髪の青年がそう訊き返せば、忠義は静かに首を横に振る。
「帰る方法なら別にもあると思うのですよ、わたしは。そう……例えば主催者を問いただすとかね?」
その言葉にガウェインである彼はハッとさせられる。確かに、主催者の存在については全てが不明だ。その主催者を特定することができれば――。
「えーっと、忠義くんだっけ? おれはその話に乗ろっかな~? あ、今さらになるけど、自己紹介ね? ポジションはガウェイン、本名を
そう声をかけられた
「すみませんが、ぼくは殺し合って生き残らないと
そう言うや否や、風のように走り去っていった。取り残された忠義と太陽の二人は、しばらく見つめ合い……お互い協力し合うことにした。
確かに、
だからこそ、手を取り合うことにした二人は並んで森から出て行く。――警戒心だけは解かずに。
(なんとかこの場は凌いだけど……確かにあのガラハッドくんの言う通り、忠義くんの言うことが全てとは思えないからね~)
疑いは無くさず、それでいて殺し合うのではなく協力体制を保つ。それがベストな選択だと言い聞かせるように――。