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第14話 思考を巡らせ

「どういうことなんです? 話がまるで見えません!」


 純汰じゅんたの言葉に景梧けいごが答えようとした時だった。あの軽薄そうな若い男性のアナウンスが響いてきた。


『はーい! 脱落者の紹介の時間だよ! 次の脱落者は、アグラヴェイン卿もとい鷹本昭良たかもとあきら君でしたー! いやぁあまりにもあっさりとした死に方にはビックリですねぇ! もう少し粘ってほしかったところでした! まぁ残念無念ということで! また! シーユー!』


「ほう? 脱落者がまた出たか。誰のことかはさっぱりだが、アナウンスの感じだと抵抗も上手く出来ずに死んだってところみてぇだな? そいつは飛んだ貧乏くじだったな」


 冷静に分析する景梧とは裏腹に、純汰の表情はどんどん強張っていく。その様子に気づきながらも景梧は思考を巡らせることを優先させた。


(ちっ、誰が誰にやられたのかがわかんねえのがこの|ク《・》|ソ《・》|ゲ《・》|ー《・》の最たる部分だな。推測しようにも情報が足りなさすぎるぜ。……とにかく、モルドレッドもとい|百瀬川《ももせがわ》と、ガウェインと呼ばれていたあの自称ホストだな)


 危険分子を見出した景梧は、椅子から立ちあがる。そろそろ場所を移動しようと考えたからだが、純汰が恐る恐る口を開いた。


「あの……そもそも今集められている円卓の騎士って、何人いるのでしょうか?」


 今更ながらも、もっともな純汰の疑問に景梧が答える。


「俺の推測が正しけりゃあ、集められたのは九人だろうな」


「えっ? どうしてわかるんですか!?」


「ここのから得た情報が確かなら、魔女が――九人しかいねぇからだよ」


 ****


 その頃。

 同時刻、


 背もたれのあるシンプルな椅子に座っているは、それぞれの円卓の騎士達をモニタリングしながら軽食を摂っていた。黒髪に白いメッシュの入った三つ編みをした、軽薄そうな青年。

 彼はたいそう退屈そうな目をしている。

 ボーっとしていると声をかけられた。


「困ります、。しっかり務めを果たしてもらわなければ」


「あはは……ごめんてー。しょうがないだろう、モニタリング作業とか不慣れなんだしさぁ。ま、それでもやるよ? この君、起動されたくないしね?」


 彼の首には、機械仕掛けの首輪が着けられている。それに爆弾が仕掛けられているのは、ので把握している。


「ま、こんな首輪がなくても? 面白そうなことには首を突っ込みたくなる性分でね? 中々楽しませてもらっているよ? 主催者様?」


 皮肉なのか、率直な感想なのか。意図が判別できない彼の言葉に対し、主催者は静かな口調で告げた。


「お願いしますよ? 


「りょーかいです。全てお任せを~」


 どこまでも軽薄な彼に興味がないといった様子で、主催者は退出していった。それを確認すると青年は静かにぼやく。


「あーあー。これなら自分円卓の騎士になって殺し合わせてもらった方が、楽しいんだけどなぁ」

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