魚類言語学【ぎょるいげんごがく】
人類以外とのコミュニケーションは翻訳魔法の分野でも難易度が高い。
植民地時代の合衆国で成立した分野である。
魚の遺伝子が混ざっている人種がいて、彼らは歳を取ると魚類になっていく。そのあとは生存圏を海に移すとされていて、その魚人類とコミュニケーションを取れるようにと成立したのが魚類言語学である。
嘘のような逸話だが魚人類は存在する。
授業の内容は水槽で泳いでいる魚との
アラディア魔法学校でこの魚類言語学の授業の際にポリリー・アッシリアという
現代では人気のない分野ではあるが高等教育で学ぶ必要があるため、ほかの言語学の授業に複合される形で履修することになる。
余談ではあるが、犬、猫などの哺乳類、鳥類などに応じた言語学も存在する。虫とのコミュニケーションに成立した記録はないが、
軟膏【なんこう】
薬草などを混ぜた塗り薬。
市販薬などの流通時に基準が設けられたことで『魔法使いが作った薬品は疾病や怪我に対して使用することはできない』となった。理由は『効果が認められる基準値に満たされていない』とのことである。
実際には禁止されている成分を使っていたり、規則を守らない者が多かったりしたため、『魔法使いの作った薬品』に対しての厳しく取り締まられるようになった。
ハウス・スチュワードの家系はこの国際的に設けられている基準に従った上で調合して、薬品会社に技術提供をしている。
瘴気【しょうき】
魔法を使う際に発生する魔力の一種。石炭とか石油を燃やしたときに発生する二酸化炭素みたいなもの。
ほとんどの場合、人体に無害である。
呼吸などで体内に取り込まれても、体内で生成されている魔力の影響を受けて消滅することがほとんどである。
換気が悪い空間などでは
魔女狩りの時代【まじょがりのじだい】
十五世紀から十七世紀にかけて起きた『魔女に対する
魔女というのは『魔法使い』という意味で、男女問わず、この迫害の対象になった。
十二世紀頃から局所的に確認されていたが、十五世紀頃に大々的に行われた。
きっかけは『魔法使い』という職業に対してのイメージが変わったからと言われている。
『魔法使いは特定の場所で悪魔と関わりを持って他人の子供を誘拐して殺して食べる』などのイメージが
この時代の『魔法使い』は特別な職業であり、技術などが家系や組織内でのみ継承されるようになっていた。『魔法』が以前より『正体不明なもの』になっていたことが原因とされているが、これはこの当時の『
この『魔女狩りの時代』では多くの『魔法使い』が迫害を受けることになる。
それが過激化していくのに、それほど時間はかからなかった。
告発する対象が『魔法使い』から、『自分たちと違う人間』を告発するように変わっていく。
一度告発されて連行された場合、拷問、誘導尋問、噂による証言から『有罪』と宣告される。
水に沈められて『もし浮かんできたら悪魔と関わった魔法使いだから火刑だ』という判別方法も行われた。
あらゆる行為が疑惑の眼で見られるようになる。
『魔女狩りの時代』は十五世紀から十七世紀を最盛期として、そのあとは少しずつ下火になっていく。
近代的な思想を持つ医師や科学者、聖職者によって『魔女』と告発された者たちは『病院や刑務所で拘束するべき人間』へと変化していった。加えて、法による迫害の禁止が拍車をかけて、十八世紀中期を
十五世紀から十七世紀までの、この三〇〇年間を『魔女狩りの時代』と呼ぶ。
この期間で処刑されたとされる人数は五十万から九百万人と言われている。
このときに多くの魔法使いも殺されている。魔法の技術のその多くが