いやぁ、酷い目にあった。
でも面白いネタを拾えたのは上々だ。
あとは何か新しい発見でもしようか。
現状素材集めに関しては私とスズキさんが不要なんだよね。
探偵さん達採掘組がフィールのクランと組んで探索回して素材の一割をうちに回してあとはオクト君のところで管理してもらってる。
そのあとどこに流れていくかは私の預かり知らぬところだ。
そう言えば最近ステータスを覗いてないことに気がついた。
最近は派生らしい派生もなく、打ち止めもいいところだからなぁ。逆に100も200もスキル持ってる人はどうやって集めてるんだろうね?
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プレイヤー:アキカゼ・ハヤテ
種族:人間
冒険ランク:C
クランマスター〈15/15〉
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最近増えたゲージはEP。
多分これは地下専用のポイントだろうね。
Earth Point。つまり大地の力か、わかりやすい。
が、上限がたったの20%しかない理由がわからない。
もしかしなくても倒した数によって回復できるポイント最大値が違うのだろうか?
どちらにせよわからないことばかりで憶測の域を出ないので後でどざえもんさんに聞こう。
そしていつの間にかおかしくなっていたのが
ゲージそのものが消えるなんて知らないよ?
他の人は常に見えるらしいから、どうも私だけらしいんだよね。
消費しないんならしないで助かるけど。
そしてスキルは、また見え方が変わっているな。
そういえばバージョンアップ何回もしているものな。
メンテナンスらしいメンテナンスなんてレイドイベントの後くらいだったけど、見てないうちに変わったのだなぁ。
何せスキルは念じれば出てくるし、意識して使わないと何を覚えたか忘れそうになる。
だからこそパッシブを選んだのもあった。
勝手に生えて活動しやすくなる。
いいことづくめだ。
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<獲得数50個! 冒険ランクBの条件を達成しました>
<パッシブスキル:53>【スキル複合化】
◯ST系
【持久力UP】ST上限+20%
【持久力UP中】ST上限+30%
【持久力UP大】ST上限+50%
【持久力維持】STが消費される感覚毎秒→10秒毎
【ST維持】消費コストが2%減少
【ST維持・中】消費コストが3%減少
【ST維持・大】消費コストが4%減少
【ST消費維持】30秒間ST消費なし
【ST消費軽減】ST消費−10%
【木登り補正】木登り時ST消費−10%
【壁上り補正】壁を登る時のST消費−10%
【垂直移動】垂直移動時ST消費−30%
【潜水】水中内のST消費に−10%
【低酸素内活動】登山時、ST消費−10%
【木の呼吸】木登時、ST回復毎秒3%
【水の呼吸】水中時、ST回復毎秒3%
【氷の呼吸】氷結中、ST回復毎秒+3%
【雷の呼吸】落雷時、ST回復毎秒+3%
【雲の呼吸】雲上時、ST回復毎秒+3%
【石の呼吸】登山時、ST回復毎秒+3%
【火の呼吸】火中時、ST回復毎秒+3%
【炎の呼吸】溶岩内、ST回復毎秒+3%
【空の呼吸】空中時、ST回復毎秒+3%
【光の呼吸】照射時、ST回復毎秒+3%
【無の呼吸】真空時、ST回復毎秒+3%
【ST無視移動】行動でST消費をする必要がなくなる
◯EN系
【EN維持】固定コストが2%減少
【EN消費維持】30秒間EN消費なし
【EN消費軽減】EN消費−10%
◯AP系
【AP消費軽減】AP消費−10%
◯移動系
【クライミング】垂直時移動力+5
【水泳補正】水中内の移動力+5
【古代泳法】水中内の移動力+20
【水圧耐性】深海へと侵入が可能になる
【海底歩法】海底を地面と同様に歩ける
【★水中内活動】水中内で陸と同様に活動できる
【ショートワープ】目視内への瞬間移動が可能【AP+ST20%づつ消費】
【スカイウォーク】息を止めてる間、空中に足場を作る【EN毎秒1消費】
【リフトボード】空に浮くボードを出現【一度の出現でSP10%】
◯特殊系
【重力無視】落下ダメージ無効
【海の眼】水中内の視界がクリアになる
【海の手】水中内で無限の腕力を得る
【海の意志】水中内で敵感知拡大
【影踏み】影を足場として3秒間固定化できる
【影縫い】影をその場に10秒間縫い付ける
【移送】特定対象者一名に重力無視と同様の効果を付与
【輸送】パーティメンバーに重力無視、落下速度軽減を付与
【妖精眼】目に見えないものを捉える
【念話】聞こえないはずの声を聞き取る
【命中率UP】命中、クリティカル+10%
【必中】一回だけ命中率100%
【クリティカル】クリティカル発生確率+30%
【ハイクリティカル】クリティカル発生率+50%
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まさか新しく覚えたパッシブスキルの仕業だったのか。
しかし、まぁなんというか。
53個中26個のスキルがこれのおかげで死にスキルになったぞ?
長い間世話になったスキル達だが、喪失感がすごいな。
いつの間にか増えたスキルもあるんだけどさ。
それはそうと見慣れない覧はもう一つある。
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〈霊装〉
銀鎧の騎士:ランクA++
30分間、移動可能な場所へ、ヘイトを取らずに直接の移動が出来る。
有効範囲は目視の届く限り。
※チャージング可能
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ただの瞬間移動じゃなかったんだ、これ。
説明書はよく読むべきだな。
他人の使用してるのを見て使い方を決めたらダメか。
私の悪い癖だな。
それとそれで瞬間移動をしていたからか、いつからか派生先にあったショートワープが開示されていた。
もう無理して霊装使わなくてもいいかな? と思うが、あっちはAPを使うので調理アイテムが切れたら使えるか。
無駄にするかどうかは自分次第なのだ。
単純に忘れていると言うのもあるがね。
ゲージが消えたことでスキル枠が一つ完全に死んでしまったのは痛いな。どこかで補填はないものか。後で娘に聞いてみよう。
そして称号スキル。
地味に増え方という意味ではスキル以上に増えたよね。
半分以上使ってないスキルが多いけど、常に世話になってるのは古代語翻訳だね。これがあるからネタ集めには困らなかった。
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【称号】14
【妖精の加護】妖精の目視が可能
【木登りマスター】木登り時移動力+10
【古代の代弁者】★古代言語理解
【セカンドルナの代理許可人】私有地内を散策可能
【空中戦闘の心得】★空歩:3秒間空中に足場を発生【ST消費10%】
【妖精邂逅者】★真ナビゲートフェアリー:超強力版ナビゲートフェアリー
【風の支配者】★風操作:突風無効、風属性ダメージ50%カット【AP消費10%】
【水の支配者】★水操作【AP+SP消費】水の道を作り、そこから氷、雷を発生可能
【陽光の支配者】★ミラージュ:一日三回まで即死攻撃無効
【真偽の支配者】★フェイク:一日三回まで自身と同様の虚像を生み出す(ヘイト極大)
【重力の支配者】★重力操作:APを消費して体重を変化させる【AP消費】
【光の支配者】★光源操作:自身を太陽の如く光らせる【AP消費】
【★レムリアとの盟友】レムリアの器の能力を最大限利用可能
【地の契り+2】★目視強化:精霊の姿を確認できる
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★がついてるのは任意で使えるやつだね。
七つの試練を越えて、随分と溜まったよね。
思えば称号スキルにも世話になったよなぁ。
装備は変わらずだ。武器にレムリアの器が参加したくらいで私はいまだに初心者の服を着ているよ。酷い詐欺だと思うけど、装備品は基本的にオシャレ枠だ。見た目に拘って、さらに耐性をつけると値段がお高くなるらしい。ダグラスさんがそう言ってた。
本人はこだわりすぎるから武具は打たないって言ってたけど、健介君は作ってるんだったよなぁ、いい加減装備を新調しようか。自分のことをいつまでも初心者だと思っているからダメなんだな。
と言うわけでクラン『朱の明星』へと手土産を持って遊びに行く。
確か本拠地はファイべリオンだったな。
私はサードウィルの噴水からファイべリオンへと転送機能を使ってワープした。
場所がわからないのでプレイヤーを呼びかけてたどり着く。
いつの間にか時の人になってて、ますます身だしなみを整えなければと言う気持ちにさせられた。
「いらっしゃいませ、アキカゼさん。ようこそ我がクランへ」
「こんにちわ。今日はちょっと服を新調しようと思ってきたんだ」
「わざわざそれだけの為に来るのはアキカゼさんくらいですよ? だったらパープルのところに頼んだ方がいいですって」
受付に立ってたのはダグラスさんの娘さんの紘子ちゃんで、パープルとは同級生だ。
「それもそうなんだけどね、今オクト君が忙しくしてるからこっちに頼みに来たんだ。いつまでも初心者の装いじゃ周囲に示しがつかないからね」
「逆に今までずっとそれで来れる方がおかしいんですけどね」
「替え損ねたんだよ。ほら、私は撮影だけしてればよかったから」
「あはは、おじさんらしいですね」
それからも雑談を続け、最近の流行りの装備を一通り見た。
その中で垢抜けることなく、それなりに大人びて見えるトレンチコートを見つけて注文した。それとスリーピースのチョッキにカッターシャツと浅いグリーンのネクタイにトレンチコートに合わせたスラックスを追加で注文する。
「他に何かつけておきたい耐性とかありますか?」
「見栄え重視で、汚れが滲みないようにしてくれればありがたい」
「そこらへんはもちろん拘って作りますので。ウチの場合ですと、オーダーメイドは大体属性付与や耐性付与とか載せたりするんですけどねー」
「残念ながら私は戦闘に無頓着だ。あ、そうそう、拳銃のホルスターみたいなのも作って欲しい。忘れてた」
探偵さんみたいに懐から取り出してカッコよく決めてみたいと言うのもある。
「ああ、アレですね。完璧に収める為にも一度採寸だけさせていただいても?」
「構わないよ。称号がないと満足に動かせないのは確認済みだから」
「あら、残念だわ」
「欲しかったら試練をクリアする事だね」
「はーい」
紘子ちゃんは屈託のない笑みで笑うと工房に引っ込んだ。
数分もすれば戻ってくる。採寸だけと言うこともあって、素早い。
「本当に動かないんですね、セーフティも完璧だわ」
「試したのかい?」
「動かせたらラッキーと思いまして」
「抜け目ないね」
「性分ですので。それと出来上がりの連絡ですが、個人的に送るにはフレンド登録が早いですが、枠あります?」
「そうだな、パープルに頼んでもいいが、個人的な買い物なのでフレンド登録しようか」
「はーい。申請しました」
「受領したよ」
「それでは見積もり取って後々メール送りますねー」
「と、先に支払いをしておこうか。足りるといいんだけど」
ごとん。
カウンターに並べたのは加工済みのオリハルコンのインゴット5本と、未加工の天鋼シルファー1個。
それを目にした途端青褪めていた紘子ちゃんだったが「貰いすぎですよぉ」と言いつつもしっかり懐に納めていた。
もはや返す気はないとその目が雄弁に物語っている。
「じゃ、頼むね?」
「我が工房の全てを燃やし尽くして全力で当たります!」
大袈裟だなぁ、と思いつつ。
後日受け取りに行ったらやたらと気合の入った装いになっていた。ラメでも入っているのか、ベージュのトレンチコートがキラキラ光って非常に派手になってしまっている。
これ、余計に目立つんじゃない?
困るなぁ、なるべく地味なの選んだのに。
代金を奮発しすぎちゃったかな?
人目を集めてしまうのも嫌なので、★光源操作で一瞬目潰しをして、ショートワープと霊装を使って素早くサードウィルの拠点へと戻った。
さて、妻達は今頃どうしているだろうか?